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プルリクエスト/レビューを取り込んだ、よりシンプルなGitHub Flowの運用を図解するGitブランチを使いこなすgit-flow/GitHub Flow入門(終)(2/2 ページ)

数回にわたってgit-flowとGitHub Flowを使ったGitの活用テクニックを紹介します。最終回は、GitHubが採用している、git-flowよりシンプルな構成のブランチ管理フローについてです。5つの運用ルールや開発の流れを図を交えて解説します。

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【3】レビュー

 レビューアーはプルリクエストをレビューします。GitHubを利用した場合、プルリクエストによるmasterブランチの差分をWeb画面から確認することもできます(図3下)。


図3 プルリクエストの変更点の確認

 また、変更点の任意の場所にレビューコメントを追加できます。


図4 変更点へのレビューコメントの挿入

【4】修正

 プルリクエストを作成した担当者は、レビューアーのコメントを受け、修正した変更をリポジトリへプッシュします。コミットプッシュは、下記のように、プルリクエストを送ったブランチを修正し、そのままプッシュするだけです。特別な作業は必要ありません。

 以下は、new-featブランチでの作業例です。

$ git commit -m "アイコン位置の指定にcenterを追加"

[new-feat 51635a3] アイコン位置の指定にcenterを追加

1 file changed, 1 insertion(+)

$ git push

Counting objects: 7, done.

Delta compression using up to 4 threads.

Compressing objects: 100% (4/4), done.

Writing objects: 100% (4/4), 439 bytes | 0 bytes/s, done.

Total 4 (delta 3), reused 0 (delta 0)

To https://github.com/okamototk/test

801a44e..51635a3 new-feat -> new-feat


 修正したプッシュは、自動的にプルリクエストに反映されます。


図5 pushにより変更が反映されたコミット

 追加のコミットもプルリクエスト上で管理されるので、プルリクエストの画面を見れば、誰がどのようなコメントを行い、どのような修正がなされたか確認できます。

マージ

 レビューアーから承認が得られたら、作業用ブランチをmasterブランチへマージし、プルリクエストをクローズします。

 マージは、レビューが完了したのを受けて担当者が行ってもよいです。また、リーダー、あるいはレビューアーの承認の下でブランチをmasterへマージする場合には、ブランチをmasterブランチへマージする担当者を決めておいてもよいでしょう。

$ git checkout master

Switched to branch 'master'

$ git merge --no-ff new-feat

Merge made by the 'recursive' strategy.

04_Button/button-iconpos.html | 31 +++++++++++++++++++++++++++++++

1 file changed, 31 insertions(+)

create mode 100644 04_Button/button-iconpos.html


 上記の例では、プルリクエストのマージ点が分かるように「--no-ff」を付けて、ファーストフォワードでないマージを利用しています。マージが完了したら、Gitリポジトリへプッシュを行うと、プルリクエストにマージされた記録が残り、自動的にクローズされます。


図6 マージによるプルリクエストのクローズ

 不要になったブランチは、上記画面の「Delete branch」ボタンから削除することもできます。

git-flowとGitHub Flowを参考に、カスタマイズを

 本連載では、4回に渡りGitブランチの運用フローとして注目を浴びているgit-flowとGitHub Flowを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

 git-flowもGitHub Flowも一長一短です。開発中のブランチとリリースされたリソースをきちんと分けてプロジェクトを管理したい場合は、git-flowの方が合っているでしょうし、簡単なフローで、インクリメンタルに素早くサービスを更新していくようなプロジェクトではGitHub Flowの方がフィットするでしょう。

 また、git-flowやGitHub Flowの運用フローは、git-flowやGitHub Flowを採用しないと使えないものではなく、部分的に既存の運用フローに参考にできるものもあります。もちろん、各運用フローをカスタマイズして利用することも可能です。git-flow、GitHub Flowを手掛かりにブランチ運用の改善を行い、皆さんのプロジェクトに合わせてカスタマイズしていくと、より効率的なフローになっていくと思います。

 最後になりますが、本稿執筆に当たりレビューいただいた@sinsoku_listyさんに感謝します。

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