「PuppetDB 1.6」リリース、性能強化に重点:「とにかくパフォーマンスに注力しました」
PuppetDBの新バージョンのリリースノートは「Performance」の文字が大量に。Puppet Enterpriseを使った構成管理がより効率化するという。
Puppet Labsは2014年1月30日、オープンソースのシステム自動管理運用ツール「Puppet Enterprise」向けストレージサービスの新版となる「PuppetDB 1.6」をリリースした。性能強化に重点を置き、クエリの高速化、CatalogやFactのアップデート高速化、データベースサーバーに掛かる負荷軽減などを図っている。
Puppetでは、Factorと呼ばれるライブラリでOSやドメイン、IPアドレスを管理している。これらの情報を独自のFactとして定義することもできる。一方のCatalogは、設定のクラスを定義する。これらを利用して、例えば設定ファイルを更新した場合にはサーバーを再起動する、といったプロセスそのものを定義できるのがPuppetの特徴の1つになっている。
PuppetDB 1.6ではストレージの最適化や重複排除機能の向上を通じて性能が強化された。これまでの結果では、従来は0〜10%だった重複排除率が最大で60〜70%になったという報告も寄せられているという。
また、従来のバージョンでは変更が検出されたCatalogは新しいCatalogとして別途格納していたのに対し、1.6では変更内容をハッシュ値を基に比較し、違っている部分のみが保存されるように仕様を変更している。これによってデータベースへの書き込み量は95%以上削減され、処理時間も大幅に削減できたとしている。
今回のリリースでは、Factについても同様にデータベースへの書き込み量が98%削減されており、データベースへの負荷軽減、ディスクスペース消費量削減、およびCatalogとFactのパーシスタンス高速化につなげている。
このほかにも重複排除問題のデバッグ機能強化、リードオンリーのデータベースサポートやストリーミングクエリのサポート、圧縮を通じたパフォーマンスの強化などが盛り込まれた。
Puppet Labsは、ヴイエムウェア、シスコ・システムズなどから出資を受ける米国のベンチャー企業。2013年1月にはヴイエムウェアから追加出資を受けている。
Puppetでは、ヴイエムウェアが提供する統合管理ツールであるvCenter、シスコ・システムズが提供する統合管理ツールであるDirectorとの連携が可能だ。ネットワーク機器ではジュニパー・ネットワークの機器に搭載されているJunou OSやF5ネットワークスのBigIP向け機能も提供しており、エンタープライズ用途でのインフラ構成管理自動化向けの機能が豊富な点が特徴になっている。
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