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来るべきIoT時代は遠い雲の先ではなく、いま隣のルーターが応答する――シスコFog Computing実装としての「Cisco IOS」

世界中のモノがネットワーク経由で情報発信を始めるIoTの時代には、リッチなネットワーク機器がデータの処理ノードになる? シスコがIoT時代に向けて自社のネットワークOSを新たにする。

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 多様なモノが全てネットワークに接続するIoT(Internet of Tings)時代には、現在の、データセンターにあるクラウドではなく、より近い場所のノードが処理を受け持つようになる――シスコシステムズ(以降、シスコ)はクラウド(雲)との対比でフォグ(Fog:霧)と表現されるこのネットワークのエッジでデータを処理するモデル「フォグコンピューティング」を推進する製品をリリースする。

 現在、盛んに語られているビッグデータの活用例の1つとして、公共交通機関や建造物などに設置した大量のセンサー端末などから高頻度で生成される多様なデータを全てネットワーク経由でデータセンターのクラウド環境に格納、全ての生データを使った解析・予測分析を行うことで、統計推論的でない分析結果を導き出そうという動きがある。

 ただ、シスコは、こうした膨大なデータを役立つコンテンツに変換するためには多額のコストが掛かることを指摘。その解決策となるのが、「アプリケーションの実行をネットワークの終端近くで実行できるようにすること」だという。具体的には、自社のネットワークOSである「Cisco IOS」をLinux OSと統合、「Cisco IOx」プラットフォームとして展開する。これにより、ネットワーク経由で1カ所に生データを集積するのではなく、データセンターの手前に処理ノードを置き、適切なデータに変換する。

 Linuxとの統合は、シスコ独自の環境ではなく、広くオープンな開発環境を採用することが目的。これにより、ユーザー自身の開発するアプリケーションやインターフェースをネットワークのエッジで迅速に展開する「Bring Your Own Applications(BYOA)」「Bring Your Own Connectivity Interfaces(BYOI)」が実現するとしている。

 製品での展開は「今春より順次リリース予定」だという。シスコでは、スマートグリッドやスマートファクトリ、交通機関などの、IoTの普及が予想される領域を対象に普及を目指すとしている。

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