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OpenStackとCloudStack、違いは何?プロダクトの差はわずか? 活動評価視点で検証(1/2 ページ)

機能的にはほぼ同じ? オープンなクラウド基盤構築ソフトウェアプロダクト2つを、運営状況、参加企業の性質から比較してみた。

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クラウド構築に必要な機能モジュールはどちらも一緒?

 現在、オープンソースのクラウド基盤ソフトウェアといえば、OpenStackとCloudStackが注目されている。

 どちらも、サービスプロバイダー、大学、企業などで既に一定の実績が出てきており、クラウドを「作る」側にとっては、必要なソフトウェアになりつつある。

 この2つのソフトウェアが提供する機能、筆者の視点から評価すると、実はだんだんと似てきているのが現状だ。というのも、クラウド基盤ソフトウェアに必要とされる機能は、既に「枯れて」きているものがほとんどなのだ。

 例えば、最近話題になることが多い、仮想サーバーと物理サーバーを一括管理するための機能として、ベアメタルプロビジョニング機能がある。OpenStackでは2013年4月にリリースされたGrizzlyで標準機能として取り込まれ、同様にCloudStackでも2013年10月にバージョン4.2の新機能としてリリースされた。

 このように、たとえどちらかに現段階で欠けている機能があったとしても、新しいバージョンがリリースされるたびに補完が進み、機能差はなくなってくるものと思われる。

 本稿では、OpenStackとCloudStackの開発を支えるコミュニティ運営、活動状況と参加企業の性質について見ていきたいと思う。

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動向追従には、コミュニティ活動のフォローが必須

 この2つのソフトウェアは、どちらも活発なコミュニティが存在する。クラウドで利用される技術の革新は非常に速く、いままでのように、OJTにより先輩社員が教えてくれたり、トレーニングベンダーなどが提供するトレーニングを受講したりする技術の習得方法では、とても間に合わないと感じる読者がほとんどだろう。

 そこで重要になってくるのが、コミュニティの存在だ。最近の傾向として、よいソフトウェア、サービスにはよいコミュニティが存在し、コミュニティにより、新しい情報などが共有される傾向にある。例えば、JAWS(Japan AWS User Group)、JAZUG(Japan Windows Azure User Group)、日本OpenStackユーザー会、日本CloudStackユーザー会などが挙げられるだろう。

 OpenStack、CloudStackどちらのコミュニティも、クラウド系のイベントへの参加、独自イベント(大きいものから小さいものまで)、メーリングリストでの活動を主としている。勉強会なども定期的に開催されており地方展開も活発だ。日本全国で開かれる「オープンソースカンファレンス」では、各主要都市での開催には出展し、セッションやブースを持ったりといった活動も行っている。この他にも、年に一度の独自イベントとして、「OpenStack Days Tokyo」を開催。「CloudStack Day Japan」も、2014年3月6日に初開催を予定している。

 ここで、海外でよく取り上げられているQingye Jiang氏のクラウド基盤ソフトウェア比較レポートを紹介しておこう(Jiang氏のブログ)。コミュニティの活性度を評価するレポートで、現在の活動状況をざっと評価するには分かりやすいだろう。同氏は、もともとはEucalyptus Systems Inc. に勤めていたようだが、このレポートは中立的な立場で作成している。直近では、2013年10月〜12月のレポートが公開されているので、見てみよう。

 このレポートでは、それぞれのコミュニティがどれくらいアクティブかを、メールのスレッドの数、メッセージの数、新規メンバー数、コミットの数などから判断している。

 この他にも、Meet-up、Hackason、主催/協賛イベントなどをどのくらい開催したか、ブログなどでの情報がどれくらい公開されているかなどを判断材料にするべきだと思うが、このレポートはどちらかというと開発コミュニティに焦点を置いているため、そこまでカバーしていないのかもしれない。

 図1のように、コミュニティのメンバー数や毎月新規に参加するメンバー数は、ダントツでOpenStackが多いが、実は全体のメンバー数に対する新規メンバー数の割合についてはCloudStackの方が大きい。


4つのクラウドコミュニティ人口比較(Qingye Jiang "CY13-Q4 Community Analysis - OpenStack vs OpenNebula vs Eucalyptus vs CloudStack")

 一方、月ごとのメールのスレッド数はOpenStackが多く、メッセージ数になるとOpenStackとCloudStackはほぼ同じという結果になっている。

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