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各Windows OSで利用できるIEのバージョンを知るTech TIPS

Internet Explorer(IE)のバージョンが変わるとWebアプリの挙動が変わることがあるため、企業内システムなどでは、できる限りクライアントのIEのバージョンをそろえたくなる。そこで、Windows OSごとに利用可能なIEのバージョンを網羅・図示してみた。

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連載目次

対象ソフトウェア:Windows 2000/Windows XP/Windows Vista/Windows 7/Windows 8/Windows 8.1/Windows 10/Windows Server 2003/Windows Server 2008/Windows Server 2008 R2/Windows Server 2012/Windows Server 2012 R2/Windows Server 2016、IE5/IE5.5/IE6/IE7/IE8/IE9/IE10/IE11/Microsoft Edge


 Windows OSに標準装備のWebブラウザ「Internet Explorer(IE)」は、Windows OSと同様、機能や性能の向上のためにバージョンアップが繰り返されてきた。Windows 2000からWindows 10の間にリリースされたIEは、主要なバージョンだけでも8種類ある。

 一方、企業内システムなどでは、イントラネット上のWebアプリの挙動が変わらないように、IEのバージョンを限定したいことがある。そんな場合、システム管理者はどのWindows OSでどのバージョンのIEが利用できるのか、よく把握しておく必要がある。

 そこで、Windows OSとIEそれぞれのバージョンの関係を図で表してみた。

クライアントWindows OSで利用できるIEのバージョン

クライアントWindows OSで利用できるIEのバージョン。Windows 2000 Professional: IE5/IE5.5/IE6、 Windows XP: IE6/IE7/IE8、 Windows Vista: IE7/IE8/IE9、 Windows 7: IE8/IE9/IE10/IE11、 Windows 8: IE10、 Windows 8.1: IE11/Edge、 Windows 10: IE11/Edge

Windows Serverで利用できるIEのバージョン

Windows Serverで利用できるIEのバージョン。Windows 2000 Server: IE5/IE5.5/IE6、 Windows Server 2003: IE6/IE7/IE8、 Windows Server 2008: IE7/IE8/IE9、 Windows Server 2008 R2: IE8/IE9/IE10/IE11、 Windows Server 2012: IE10、 Windows Server 2012 R2: IE11/Edge、 Windows Server 2016: IE11

 IEのバージョンについて特に注意すべき点を以下に記す。

「デフォルトのIE」より新しいバージョンがプリインストールされていることも

 上図の「デフォルトのIE」とは、対象のWindows OSがリリースされた時点で同梱されていたIEを指す。

 ただし市販されているWindows PCには、「インストールできるIE」の範囲内で、それより新しいバージョンのIEがプリインストールされていることがよくある。プリインストールされたWindows OSをそのまま利用するなら、「デフォルトのIE」は目安として捉えた方が無難だろう。

IE11より古いバージョンは既にサポート終了

 IE11より前、すなわちIE5〜IE10のサポートは、一部を除いて2016年1月以前に終了している。新規セキュリティパッチの無償提供が止まり、新たな脆弱(ぜいじゃく)性が修正されずに放置されることから、これらの「古い」IEは実質的に寿命を終えている。もし、これらのIEをいまだに使い続けているなら、速やかにIEまたはWindows OSを更新してIE11に切り替えるべきだ。

 IEのサポート終了については、TIPS「一目で分かる、各Windows OSでのInternet Explorerのサポート終了時期」を参照していただきたい。

IEは、OSリリース時点より低いバージョンにダウングレードできない

 例えばWindows 7の場合、リリース時のIEのバージョンはIE8である。これをIE7以前にダウングレードすることはできない。

 従って、もし複数のWindows OS間でIEのバージョンをそろえるとしたら、基本的には古いOS側でIEのアップグレードを検討することになる。ただし上図で分かるように、Windows OSが3世代にまたがると、IEのバージョンをそろえるのが難しい。

 OSやアプリケーションの仮想化技術を駆使して、Windows OSとは別にIE単体でバージョンを変えることも検討すべきかもしれない。

「Microsoft Edge」はWindows8.1以前で利用できない

 Windows 10には、従来のIE11とともに、新ブラウザ「Microsoft Edge」(以下、Edge)が標準装備されている。従来のIEと違い、これらは単一システム上で同時に併用できる。

 使い分け方としては、最新のWeb技術をキャッチアップしているEdgeは最新のクラウドサービスに、従来のIEとの互換性に優れているIE11はイントラネット上のWebアプリケーションに、それぞれ活用されるという想定だ。

 ただし、EdgeはWindows 10より前のWindows OSには提供されていない。Microsoftは、Windows 7やWindows 8.1向けにEdgeを提供する予定がないことを明言している。

 従って、複数のバージョンのWindows OS間でブラウザの互換性を確保するのに、Edgeは利用できない。もし将来、多くのクラウドサービスが(レガシーとなるであろう)IE11をサポート対象から外し始めたら、Windows 7/Windows 8.1ではGoogle ChromeやMozilla Firefoxのような複数のWindows OSをサポートするブラウザを導入するか、OSごとEdgeを搭載したWindows 10以降にアップグレードするか、迫られることになるかもしれない。

Windows Server 2016にEdgeは搭載されていない

 Windows 10と同世代であるWindows Server 2016には、IE11が標準ブラウザとして同梱されている。一方、Edgeは同梱されておらず、全く利用できない。(Server CoreやNano Serverではなく)デスクトップエクスペリエンスを含めてフルインストールしても、Edgeはインストールされないし、後から追加することも不可能だ。

■関連リンク


■更新履歴

【2017/08/07】Windows Server 2016について追記しました。また最新情報を反映しました。

【2015/07/15】Windows 10とMicrosoft Edgeについて追記しました。また2016年1月に古いIEのサポートが終了することを明記しました。

【2014/05/30】初版公開。


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