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「過去に経験のない」規模の基幹業務DBアップグレード、住友重機械工業の選択検証コストの大幅削減と作業効率化を実現(4/4 ページ)

住友重機械工業は先ごろ、生産管理システムなどで利用する約30のOracle Databaseを11g R2にアップグレード。オラクルの支援ツール群を活用した標準化アプローチにより、検証コストの大幅削減と作業効率化を実現した。[運用管理効率化][Oracle Enterprise Manager][Data Integration]

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問題発生時の迅速な修正もツールで担保。データレプリケーションツールの活用で業務停止時間も最短化

 「障害が発生した場合でも、1営業日中に修正できる手段を準備する」という目標のために導入したのは、データベース管理ツールの「Oracle Enterprise Manager Diagnostics Pack(以下、Oracle Diagnostics Pack)」と「Oracle Enterprise Manager Tuning Pack(以下、Oracle Tuning Pack)」である。

 「Oracle Diagnostics PackとOracle Tuning Packの問題判別やチューニングの機能はとても優れており、どのSQLに性能問題があるのかを自動検出し、どのような修正が行えるかの候補を提示してくれます。その候補には、アプリケーションに影響を及ぼすものと及ぼさないものとがあり、それらの内容をアプリケーション担当者らが確認し、どの修正を適用するかを決定します。このツールを各アプリケーション担当者へ展開し、性能調査/改善業務を担当者自身で実施できるようにしました。これにより、速やかにSQLの性能問題を解決することが可能となり、1営業日での修正対応を実現できると考えました」(住友重機械ビジネスアソシエイツ 情報システム部 情報技術グループの山口祐史氏)

 当初、これらのツールはアップグレード後の新環境でSQLの性能検証を行う目的で導入したが、実際に利用したアプリケーション担当者らの評価は高く、彼らのアドバイスを受け、現在はOracle Real Application Testingで新旧環境の性能を比較する前にも使うなど、早い段階での新環境の性能改善にも役立てているという。

 加えて、今回のアップグレードプロジェクトには、もう一つの関門があった。それは、アップグレード作業に伴うシステム停止時間を最短化することである。

 アップグレード対象システムの中には、数百GBのデータを格納する生産管理システムがある。これは海外を含む複数工場の生産管理で使われており、長時間のシステム停止が難しく、わずか1日でシステム全体のアップグレード作業を完了させなければならない。そこで、アップグレード当日の作業時間を最短化する目的で導入したのが、データレプリケーションツールの「Oracle GoldenGate」である。

 「数百GBのデータをExport/Importで移行した場合、データ移行だけで半日以上かかるため、アプリケーションの検証作業に十分な時間を確保できません。問題は、従来の手法ではデータ移行に多くの時間がかかるという点であり、これを極力短くするためにOracle GoldenGateの導入を決めたのです」(土居氏)

 Oracle GoldenGateの特徴は、リアルタイムレプリケーション機能により、稼働中の本番環境に高い負荷をかけることなく、待機または稼働中の別環境にデータをレプリケーションできる点だ。これにより、新旧環境を同期して事前にデータ移行を済ませ、移行当日は新環境のアプリケーション検証だけを行えば済むようになる。住友重機械工業は、レプリケーションの設定が簡単に行える点、レプリケーション時の本番環境への負荷が極めて小さい点を高く評価。実際に検証を行ったところ、「レプリケーションによるオーバーヘッドは全く気付かないレベルだった」(山口氏)という。

導入した手法とツールは、今後の運用改善やパッチ適用での活用も検討

 こうしてオラクルのアップグレード支援ツール群も活用し、プロジェクトの大目標である効率的なアップグレード手法の確立とコスト削減に目処を付けた住友重機械工業は、次回以降のアップグレードプロジェクトでも、これらの手法とツールの適用を検討している。

 また、Oracle Real Application TestingとOracle GoldenGate Veridataについては、パッチ適用時のマイナーアップグレードでも活用する他、Oracle Diagnostics PackとOracle Tuning Packは日々の運用改善で活用することを考えている。

 さらに、このプロジェクトで確立した手法やノウハウはライトウェルを通じてグループ外の企業に向けて広く提供し、住友重機械工業と同様の問題を抱えているオラクルユーザーの課題解決を支援していきたい考えだ。


提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2014年9月3日

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