東栄住宅の生産管理システムの統合データベース基盤選定:Oracle Database Applianceを採用して得たメリットとは?(2/3 ページ)
社内に散在する基幹データベースを、性能や拡張性、業務生産性の向上、コスト削減などを目的に高性能なデータベース基盤へと集約する企業が増えている。首都圏を中心に戸建分譲事業を営む東栄住宅も、その1社だ。同社は生産管理システムのデータベース群を集約する基盤として、オラクルの「Oracle Database Appliance」を選んだ。[プライベートクラウド/データベース統合][Engineered System]
Oracle RACとの親和性、シンプルなBCP構成、スモールスタートが可能なライセンス方式──東栄住宅がOracle Database Applianceを選んだ理由
再構築に当たり、東栄住宅はこれまで個別に管理していたマスターデータを統合し、各業務をより密接に連携できる横断的システムへの移行を目指す。新システムでは、生産性向上や内部統制への対応、メンテナンスコストの削減、拡張性の確保といった効果に加えて、ディザスタリカバリ構成をとることで企業としての事業継続計画(BCP)へも寄与することを目標にした。
新システムの要素 | 経営者にとっての効果 | 内勤担当者にとっての効果 | 現場担当者にとっての効果 |
---|---|---|---|
業務横断システム | 原価の低減/工期短縮による価格競争力の強化 生産性向上による安定 収入基盤の強化 |
一貫した工程管理によるスケジュール遅延の防止 業者手配の効率化 |
現場管理の作業軽減 操作性向上による作業効率アップ |
マスターデータ統合 | IT統制(業務処理統制)の強化 | 重複作業や入力ミスの防止によるデータ精度の向上 プログラム保守、メンテナンス性向上による運用コストの低減 |
伝達ミスの防止、積極的な情報共有による部門間の連携強化 |
マスターデータの統合により、データ品質の向上に加えて、データの整合性が維持されることによるコスト削減、および開発コストの削減といったメリットが得られる。同社では、その統合データベースを管理するRDBMSとしてOracle Database Enterprise Editionを選択し、同RDBMSの稼働基盤としてOracle Database Applianceの導入を決める。
なお、東栄住宅はこれまで、工程/原価管理システムのRDBMSとしてOracle Database 10g Standard Editionを利用しており、今回の再構築に当たっても、当初はOracle Database Standard EditionでReal Application Clusters(RAC)構成をとることを検討した。しかし、「『統合データベース基盤に求められる信頼性と可用性』『システムの成長に合わせた拡張性』『シンプルなBCP対策』といった要件を検討した結果、Oracle Database Enterprise Editionの高い性能、高度な機能を低い初期コストで導入できるOracle Database Applianceの採用を決定」したのだという。
「Oracle Database Standard EditionによるRAC構成とするか、それともOracle Database Appliance上でOracle Database Enterprise Editionを使うか、慎重に検討を重ねました。その中で大きな評価ポイントとなったのは、Oracle Database Applianceが統合データベース基盤に求められる高い信頼性と可用性を備えていること、Oracle RACに最適な専用アプライアンスであることです。また、BCP対策をシンプルに実現できるOracle Data Guardを使うには、Oracle Database Enterprise Editionが必須だったことも決め手の一つとなりました。さらに、使用するCPUコア数に応じてライセンスを拡張できることから、コスト面でもOracle Database Applianceが有利だと判断したのです」(長谷川氏)
Oracle Data Guardは、遠隔地にあるスタンバイデータベースに対して、本番データベースからのデータ同期を自動的に行うことができるバックアップソリューションだ。同期にはOracle Databaseのトランザクションログ(REDOログ)を使うため、ネットワーク帯域幅や性能に負担を掛けず、確実にバックアップが行える。また、オプション機能の「Data Guard Broker」を使うことで、障害発生時のスタンバイデータベースへのフェールオーバーも容易に実現することができる。
一方、Oracle Database Applianceでは、Oracle Database Standard Editionを利用する企業がコスト面で無理なくOracle Database Enterprise Editionに移行できるよう配慮したライセンス方式を採用している。具体的には、「Capacity On-Demand」と呼ばれるライセンス方式により、Oracle Database Applianceに搭載されている48コアのうち、実際に使用するコア数に応じて購入ライセンスを拡張していけるのだ(最小は4コアからスタート)。ライセンスコストは利用コア数で決まるため、例えば最初は最小の4コアでスモールスタートし、システム規模の拡大に合わせて段階的に増やすコアの数だけライセンスを追加購入することで、Oracle Database Enterprise Editionを無駄なく利用できるのである。
この他、「Oracle Partitioning」によって大規模な長期保管データを分割管理できること、並列処理によってCPUリソースを有効に活用できることなども、Oracle Database Applianceの採用を強く後押ししたと長谷川氏は語る。
提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2014年9月10日
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