日本の技術者が挑戦したいこと、わくわくした瞬間、興味がある次世代技術まとめ:ITエンジニアの未来ラボ(1)(1/3 ページ)
将来実現したいことやスキルアップしたいができない理由、興味がある次世代技術、6年後どうなっているかなど、1900人に聞いたアンケート結果をリポートする。
日本のIT技術者1917人に聞きました
IT投資が増加していくとされる2020年に向け、技術の革新は進みこれまでにない多様な技術が開発現場で当たり前のように使われるようになることが予想される。事実、スマートフォンやクラウドの出現により、ここ5、6年の間で多様な技術習得を迫られた開発現場も少なくないはずだ。では次の時代に向けてITエンジニアはどうあるべきなのか。
本特集「ITエンジニアの未来ラボ」は、日本のITエンジニアが現在抱えている課題や“技術への思い”を読者調査を通じて浮き彫りにし、ITエンジニアは未来に向けてどのような道を歩むべきか、キャッチアップするべき技術の未来とはどのようなものかを研究する。
@ITでは、2014年9月1〜7日に読者アンケートを実施。応募総数1917、回答完了数1326で、回答完了率は69.2%となった。本稿では、その主要な結果を紹介することで、日本のITエンジニアが現在抱えている課題や“技術への思い”を探る。
将来、実現/チャレンジしたいことがある:約6割
「あなたがITエンジニアとして将来実現したいこと、チャレンジしたいことはありますか」という質問に対して約6割が「ある」と回答。年齢、性別、業種、就労形態を問わず、同様の結果となっている。
その主な内容には、約900件のフリー回答が寄せられ、「品質保証」「独立起業」「東京オリンピックの事業に、エンジニアとして参加したい」「日本発の世界で採用されるオープンソースの実現」「コンサルティング業務」「スマホアプリ開発」「サーバー運用、クラウド運用のスキル取得」「ロボット」「IoT」「HTML5」「新技術の導入」と多岐にわたった。
法人向けITサービスで、さまざまな問題をスムーズに解決できるソリューションチームを作りたい。特に外資系IT大手になるほど、サービスの統括部門がありながら迅速かつ的確に機能していない。縦割り行政の弊害によって横のつながりが希薄となり、問題の“たらい回し”が日々見られる。
日本の社会インフラになるようなシステムを開発すること。具体的には、就業支援やキャリア支援、ジョブマッチング、人材バンク的なものを含めた生涯教育をサポートするようなプラットフォームを作りたい。
町の電気屋のように、もっと町のITを活性化したい。自営業の方などに、もっとITを活用していただきたい。
日本は、武力ではなく、世界の人々が抱えている問題の解決への寄与力を国家目標にすべきと考えている。その個々の課題解決のテーマと解決に必要なITを若者に示すことが重要と考えています。
社内設計システムのクラスター化。設計プロジェクトに合わせた小規模安価な環境であるが、OSSを活用し高機能にした環境を一つのクラスターとしてとらえ、期間・規模に応じた複数のクラスターで設計を行い、性能・コストの最適化を行う。
商品、サービスを開発する設計者が、より創造的な仕事ができる環境、ツールをITを使って提供する。特に、日本人の習慣、思考に則した(有利な)環境を提供し、日本の競争力を強化する。
スキルアップに取り組んでいる:約8割、その大半が独学
「あなたはスキルアップに取り組んでいますか(単一回答・必須)」という質問に対しては約8割が「はい」と回答。
「はい」と回答した人に「スキルアップのために取り組んでいることを全てお選びください」と質問した結果、大半が「書籍やWebサイトを利用した独学」と回答。社外セミナーに参加する人は4割で、コミュニティ活動に参加する人は2割にも満たない結果となった。
いずれの質問も、年齢、性別、業種、就労形態を問わず、同様の結果となっている。
スキルアップしたいが、できない人も多い。その理由とは
スキルアップに取り組んでいない人に「その理由はどういったことが当てはまりますか。当てはまるものを全てお選びください」と質問した結果、「時間がない」「コストが掛かる」「優先順位が付けられない」「どのように学習してよいか分からない」「健康状態が芳しくない」の順で課題となっていることが判明。大半は、スキルアップへの意欲はあるが、できていないことが浮き彫りになった。この質問も、年齢、性別、業種、就労形態を問わず、同様の結果となっている。
その他の回答としては、「ITスキルも大切であるが、業務スキルはそれにも増して重要であり、業務(保険)知識の充実に努めている」「ITだけでは実質的な効果が得られないため」「管理職なのでエンジニアとしてではなく経験を生かした貢献をする必要があるため」などが挙げられる。
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