【Oracle Exadata事例】パナソニック インフォメーションシステムズが推し進める基幹データベース群のDBaaS化:ビジネスに即応可能なデータベース調達の実現に向けて(2/2 ページ)
全社IT基盤改革におけるデータベース統合で、パナソニック インフォメーションシステムズがシステム基盤として採用したのが「Oracle Exadata」だ。データベース基盤のコスト最適化とパフォーマンス向上を果たした同社は、ビジネスの動きに即応した迅速なデータベース調達を実現すべく、Oracle ExadataによるDBaaS構築を推進している。[プライベートクラウド/データベース統合][運用管理効率化][Engineered System]
バッチとOLTPの処理性能が大幅に向上し、保守運用コストも削減。さらにDB環境のサービスメニュー化も推進
パナソニックISがOracle Exadataによる基幹システムのデータベース運用を開始してから、既に1年以上が経過している。となると、気になるのが当初の目標が本当に達成されたのかどうかという点だ。
その結論を先にいえば、答えは「YES」である。前述した二つの目標、すなわち「コストの適正化(運用工数とハードウェア/ソフトウェアコストの増大の抑制)」と「パフォーマンスの向上(処理量の集中/増大による高負荷に耐え得る高性能データベースの実現)」の達成度は共に合格点だと片岡氏は語る。
まず、性能向上についていえば、「受発注システムのオンライン処理は約3倍、バッチ処理は約8倍、BtoC系システムのオンライン処理は約6.5倍にパフォーマンスアップしています」と片岡氏。
また、コストの適正化や運用工数の削減についても、開発/本番環境の計22台のサーバーが2台のOracle Exadataに集約されたことで、サーバーの維持費が単純に削減できた他、Oracle Databaseの保守費用も合理化された。
さらに、専任チームへのデータベース運用の集約/1本化により運用の統一ルールが確立され、データベース運用工数が減った他、アプリケーション開発とデータベース運用の分離によってITガバナンスの強化、データベースサービスの安定供給も実現されている。
加えて、パナソニックISでは、Oracle Exadata環境をクラウドとして“サービスメニュー化”。アプリケーションとデータベースを同居させた小規模システム向けの構成や、中規模以上のシステムを対象にしたハイパフォーマンス構成(データベース/アプリケーション分離型)を定型パターンとして用意し、アプリケーションの要件に応じて必要なパターンを選択して活用できる環境を整えている。
究極のゴールはDBaaSによる“データベース利用のセルフサービス化”
現在、パナソニックISでは、Oracle Exadataにおけるパラレル処理やデータ圧縮機能の適用範囲を拡大し、ストレージ使用量の抑制とデータベース性能向上の両立を進めている。
また、データベース統合の対象システムをさらに広げていく計画で、既にエコソリューションズ社グループでグローバル51拠点に展開しているERPシステム「Oracle E-Business Suite(EBS)」におけるOracle Exadataの活用に着手している。Oracle EBS用のOracle Exadataを追加導入してデータベース基盤のキャパシティを拡張し、検証したところ、Oracle EBS環境の夜間バッチ処理の約6割が高速化。製造系システムで特に長い時間を要する「Advanced Supply Chain Planning」処理については約50%短縮できることを確認済みだという。
加えて、Oracle Exadataのリソースを有効利用すべく、いくつかのリソースグループを定義。データベースアドミニストレーター(DBA)が、その割り当てを調整するといった仕組みも構築している。
もう一つ、パナソニックISが実現しようとしているのが、“データベース利用のセルフサービス化”だ。
Oracle Exadataの導入により、パナソニックISのDBAは、わずか15分程度でアプリケーション担当者が求めるデータベースサービスを提供することが可能になった。
「Oracle Exadataの導入以前、データベースサービスを提供するのに、サーバーの社内在庫がある場合で約3日間、社内在庫がない場合には1〜2カ月を必要としていました。その期間を、Oracle Exadataの導入により、わずか15分程度に短縮できたのです。これは非常に画期的なことです」(片岡氏)
さらに、データベースサービスをアプリケーション担当者自身が設定するセルフサービス化を実現できれば、DBAが作業に要している「15分」は、当然「ゼロ」になる。究極的にはこれが理想だが、その実現には乗り越えるべきハードルがいくつかあるようだ。片岡氏は最後に、セルフサービス化に向けた課題を次のように述べて講演を締めくくった。
「セルフサービス化を実現するには、サービス利用者が望む形で権限/責任を委譲しなければなりません。そのため、まずは利用者へのヒアリングをしっかりと行うことが必須となります。また、分かりやすい料金体系を定め、利用者との間で合意を形成することも必要でしょう」
定評のある高い技術力を生かし、Oracle Exadataのポテンシャルを最大限に引き出してデータベース基盤のコスト効果やパフォーマンスを大きく改善したパナソニックIS。同社はさらに、ビジネスに即応した迅速なIT展開の推進力とすべく、DBaaS基盤としてOracle Exadataのより先進的な活用に挑んでいる。
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「Oracle Exadata導入事例 2014」(TechTargetジャパン)
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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2014年10月15日
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