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iOSアプリにフォトショの機能などを組み込めるCreative SDKの基礎知識とインストールクリエイティブアプリ開発入門(1)

Photoshopのような写真編集や動画編集、ユーザー管理、描画用デバイス連携などの機能をアプリに追加できるSDKについて概要とインストール方法を解説する。

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 アドビシステムズ(以下、アドビ)の年次カンファレンス「Adobe MAX 2014」で発表された「Adobe Creative SDK」は、Photoshopのような写真編集や動画の編集、Adobe IDを利用したユーザー管理はもちろんのこと、描画用デバイス「Adobe Ink&Slide」(以下、Ink&Slide)やWACOMタブレットへの対応などが簡単に利用できる開発キットだ。

 本企画では、発表のタイミングでパブリックベータとして公開されたCreative SDKの使い方を数回にわたって見ていく。クリエイティブな要素を取り込んだスマホアプリを開発してみたい読者、または画像や動画などのメディアをWebデザインなどの業務で応用して活用したい読者は、ぜひ参考にしてほしい。


Creative SDKのメインビジュアルはできることが網羅されていて、よく見るとInk&Slideも描き込まれている

Creative SDKでできること

 Creative SDKを使うことでどんなことができるのか、公式ドキュメントを見ると、さまざまな機能が提供されていることが分かる。

 なお、全ての情報は英語で提供されている。そのため、かなりハードルが高く感じられるがスクリーンショットが豊富に撮られているため、英語が読めなくてもまねしていれば取りあえずインストールなどは行えるように工夫されている。

 すでにいくつものアプリケーションが公開されており、Creative SDKの発表時でも著名なアプリケーションがこのSDKを利用していたことがわかった。


エンジニアの人になじみがある、プロトタイピングアプリの「POP」はCreative SDK製

 公式ドキュメントでは列挙されている機能が膨大だが、Adobe MAX 2014での発表資料にCreative SDKで何ができるのかを分かりやすくまとめた画像があるので紹介しよう。

ファイルの作成と抽出

 ファイルの作成と抽出はPSD/AI/INDD形式に対応している。INDD形式はあまりなじみがない読者もいるかもしれないので補足するがページレイアウトソフトのInDesignのファイル形式のことだ。

アプリケーションの連携

 表示している画像などの要素をCreative CloudのWebストレージを介して別のアプリケーションに送ることができる。これもPhotoshop、Illstrator、InDesignに対応している。

Photoshopの機能

 Photoshopに搭載されている機能をそのまま利用できる。カメラの手ブレを後から消せる「Camera Shake Reduction」や、コンテンツの内容に応じて塗りを広げられる「Content-Aware Fill」、その他画像編集機能が備わっている。

その他

 他にも、Ink&Slideのサポートや、サードパーティ製のデバイスであるワコムのスタイラスなどにも対応できるようになっている。またアドビは、クリエイティブアプリ配信のためのモバイル向けSDKを開発するAviaryを買収したが、今後Creative SDKとどう関わってくるか注目したい(参考)。


Aviary

Creative SDKをインストールする

 アプリケーションの開発を行う前に、まずSDKをダウンロードしなければならない。SDKのダウンロードは公式サイトから行う。

 ここではダウンロードはもちろん、ドキュメントやCreative SDKを利用したアプリケーションが紹介されている。

 アドビ製アプリケーションもCreative SDKを利用していることが分かる。Creative SDK公開時には、すでにいくつかのアプリケーションが作られており、Adobe MAX 2014ではデモも行われていた。

 ダウンロードリンクからSDKのダウンロードを行う

 iOS用のダウンロードリンクからダウンロードしたファイルを解凍すると、SDKの中身が表示される。

 これをXCodeに読み込んで開発を行う。詳しい使い方は次回紹介する。

 開発する際には、アプリケーションを登録しておく必要がある。MyAppsでアプリケーションを登録し、SDKを利用するためのキーを取得する。

 Creative SDKのページでCreative IDを使ってログインしているとMyAppsのリンクが表示され、アプリケーションの登録ができるようになっている。「+NEW APPRICATION」をクリックすると、アプリケーションの登録ができる。

 登録できたらSDKを利用するときにアプリケーションの利用状況を解析することも可能なIDが発行される。

 アプリケーションの登録画面ではAndroidのアプリケーションも登録できるようになっている。もちろん、Androidのアプリケーションとして登録することはできるのだが、SDKのダウンロードは執筆時では作るアプリケーションの概要などをアドビに連絡してアクセス権を付与してもらう必要がある。

次回は、Createve SDKを使ってサンプルアプリケーションをビルド

 以上でCreative SDKを利用する準備が整った。次回はダウンロードしたCreateve SDKを使ってサンプルアプリケーションをビルドするところまで紹介する予定だ。


岡本 紳吾(おかもと しんご)

1975年大阪生まれ。2000年ごろよりAdobe Flash(当時はmacromedia)を使ったコンテンツ制作を始め、Flash歴だけは異様に長い。自他共に認めるFlash大好きっ子。2008年より活動の拠点を東京に移し、2011年に独立。最近はAdobe Edge系を活用し、HTML5コンテンツも手掛ける。Webプロデュースと制作と山岳メディア運営の会社、hatte Inc.代表取締役。

Twitter:@hage

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