無料でプログラミングが学べる三大動画学習サイト+α:特集:フレッシュマン企画(1/2 ページ)
プログラミングを学べる動画サイトを紹介。それぞれに特色があるので、自分に合ったサイトを見つけて、スキルや知識を向上させよう。
現在、インターネット上には、プログラミングを学習できるWebサイトが数多く存在している(筆者が幼かったころのことを考えると、夢のような状況だ)。教科書的にプログラミング言語に関する知識を提供しているサイトもあれば、スライドやテキストを見ながら対話的に学習するものもあるし、穴埋め式にコードの一部を入力してポイントを押さえていくサイトもある。
本稿では、これらの学習サイトのうち、動画でプログラミングを学べるサイトをいくつか紹介する(動画サイトの方が学習効果が高いというわけではないので、そこは注意してほしい。が、とっつきやすいとは思う)。加えて、プログラミングに限らず、さまざまな知識を学べるMOOC(大規模公開オンライン講座)に分類されるサイトも最後に紹介しよう。
動画でプログラミングを学べるサイト
本稿では動画でプログラミングを学べるサイトとして以下の三つを紹介する。
- ドットインストール
- schoo
- マイクロソフトバーチャルアカデミー(以下、MVA)
これらのサイトの特徴を以下の表にまとめる。
サイト | 対象 | 動画の長さ | 料金 | コメント |
---|---|---|---|---|
ドットインストール | プログラミング言語/Web制作全般 | 3分程度 | 無料/有料 | お手軽に勉強を始めたい人に |
schoo | プログラミング/デザイン/マーケティング/英語など | 3分動画/30〜120分程度 | 無料/有料 | 腰を据えて学びたい人に |
MVA | マイクロソフトテクノロジー全般 | 数分〜60分程度 | 無料 | マイクロソフトにはまり込みたい人に |
ドットインストール/schoo/マイクロソフトバーチャルアカデミーの特徴 |
ドットインストールは、1回のレッスン動画が約3分と短めで、気軽に勉強に取り組めるのが大きな特徴だ。schooの特徴は生放送というスタイルにある。その時間に間に合うようにディスプレーの前に座る(努力をする)ことで、自然と勉強への意欲が高まる。MVAはマイクロソフトが純正で提供する学習コンテンツであり、「マイクロソフトテクノロジー」全般にわたって豊富なコンテンツが用意されている。
では、個々のサイトの特徴を見ていこう。
ドットインストール
日本国内でプログラミングの動画学習サイトといったときに、真っ先に名前が挙がるのがドットインストールだ。
前述した通り、ドットインストールでは1回に見る動画の長さは約3分なので、気軽に学習に取り組めるのがよいところだ。3分の動画で伝えられる情報量は限られたものだが、逆に通勤時間など、ちょっと時間が空いたときに手軽に動画を見られるし、頭が疲れる前に次の動画へ進みたくなる。ドットインストールでは、あるまとまった学習単位のことを「レッスン」と呼び、数本から数十本の「3分動画」を見終わると、一つのレッスンが終了し、その分野の基礎知識が身に付く構成になっている。
「レッスン一覧」ページでは、ドットインストールで公開されているレッスンがカテゴリに分けて一覧できる。提供されているレッスンは、主にモバイル開発(iOSアプリ/Androidアプリ)/ホームページ制作/JavaScript関連技術/Webサービス作成といった分野のものだが、それ以外にも各種の言語入門、エディターやGitの使い方などがあり、学習できる範囲は多岐に及んでいる。うまく使えば、短時間で集中して、よく知らない分野の知識の概要をつかめるだろう。
プレミアム会員になると(月額880円)、無料会員では見られないレッスン動画の視聴(上記の「レッスン一覧」ページで[PREMIUM]アイコンが付いている)/講義の文字起こしの閲覧/ソースコードの閲覧などが行えるようになる。
schoo
schooは生放送というスタイルで学習コンテンツを提供するWebサイトだ(生放送されたコンテンツは録画配信もされる)。また、プログラミングに限らず、幅広い分野のコンテンツが提供されているのも大きな特徴の一つだ。
生放送ということもあり、その長さはだいたい30〜120分くらいと長くなる(ちょっとした空き時間に学べるように「3分動画で学ぶ」というコーナーもある)。生放送が始まるまでに着席し、背筋を伸ばして、講義を受けることになるので、「これから勉強するぞ」という意識が高くなるだろう。長時間拘束される分、講義の内容は濃密になり、動画を見終わるとグッタリするかもしれない。この点では、手軽に学べるドットインストールとは方向性が異なっている。
生放送中は講師と視聴者との間での質問/回答の形で双方向にやりとりが行われるのも、schooのよいところだ。授業によっては、課題が出されることもある。腰を据えてじっくりと学習したい人には向いているだろう。
schooで提供されるプログラミング関連のコンテンツの多くはWeb開発に関するものだ(HTML/JavaScript/PHP/MySQLなど)。また、プログラミングに加えて、デザイン/マーケティング/ビジネス英語/起業に関する授業も行われている(これらは「学部」としてカテゴライズされている)。
生放送されたコンテンツは録画配信される。無料会員(オープン会員)の場合、録画配信されるコンテンツの多くは月に1枚配布されるチケットを使わないと見られない(各授業の初回の録画配信は無料で見られることが多いが、これは「お試し」ということだろう)。有料会員(プレミアム学生)になると、録画配信をいつでも何度でも見られるようになる(月額980円)。興味を持つ授業が多い方なら、検討の価値は大いにあるだろう。
本稿の読者の多くの方になじみ深いマイクロソフトは、schooの公認団体となっていて、月に一度くらいの頻度で生放送を行っている。これまでにはProject SienaやWindows App Studioといったお手軽開発ツールや、HTML/JavaScriptによるアプリ開発などをテーマとして放送が行われている(これらの録画配信は無料で視聴できる)。興味のある方はチェックしておくとよい。
MVA
ここまでに紹介した二つのサイトは、プログラミングを学べるといっても、マイクロソフトテクノロジーについてはそれほど多く取り上げていない。そこで、マイクロソフトオフィシャルの動画学習サイト「MVA」も紹介しておこう。
MVAの一番の特徴は、.NET開発者/ITプロの両者にとって重要な技術が豊富に取り上げられていることだ。動画は数分程度の短いものから60分を超えるものまでトピックによって異なる。
一つのトレーニングコースは一つ以上のモジュールで構成され、一つのモジュールは一つ以上のコンテンツで構成される(全て無償だ)。コースがどんなモジュールとコンテンツで構成されるかは動画の右側にある[コースのコンテンツ]タブを選択すると表示される。
コースの難易度はレベルで示される。100が最もやさしくて、数値が大きくなるほど難しくなる。また、コンテンツをクリアするごとにポイントが加算され、これによってMVA参加者の中での自分のランキングが変わるようになっている。
注意したいのは、英語のコンテンツに日本語の字幕を付けたコースが結構含まれていることだ。日本語の字幕があるので、学習に支障はないと思うが(むしろ、英語の勉強になると割り切ってもよい)、慣れないうちはビックリしたり、ビビッたりするかもしれない。
プログラミング関係のトピックだけを見ても、C#でのデスクトップアプリの開発からHTML+JavaScriptによるユニバーサルWindowsアプリやモバイルアプリの開発、クラウド開発に至るまでさまざまなトピックが用意されている。マイクロソフトの開発環境を使いこもうという人にはオススメの学習サイトだ。MCP試験に対応したコースも提供されているので、受験を考えている人はのぞいてみよう。
動画学習サイトで勉強する際のポイント
ここまで三つの動画学習サイトを紹介してきたが、どの学習サイトを選べばよいのだろう。それぞれのサイトの特徴を考えると、次のようになる。
- お手軽お気楽にプログラミングを始めてみたい: ドットインストール
- じっくりと腰を据えて勉強をしたい: schoo
- マイクロソフトテクノロジーを深く理解したい: MVA
最初は無料会員として登録して、そりが合わなければまた別のサイトを試してみるのもよいだろうし、しっくりくるものがあれば有料会員になってもよいだろう。
プログラミングの動画学習サイトは、これら以外にもある。例えば、ShareWisは「知識の地図」といって、さまざまな知識分野が緩やかにリンクをしていて、それらをたどることで、自分の知識の幅を広げられる構成になっている。また、IT/Webエンジニア向けの転職サイト「paiza」でも動画学習コンテンツが提供されている(現在はPHPのみ)。
これらのサイトでプログラミングを学ぶ際に重要なのは、動画を見るだけではなく、実際に手を動かして、コードを記述して、失敗したり成功したりすることが大事だということ。実際に試せる環境を構築した上で(多くの講座やレッスンでは環境構築についてもレクチャーしてくれているはずだ)、一度は動画を流し見て、二度目からは動画を途中で止めながらコードを入力してみるなど、頭だけではなく手からも知識を体得するようにしよう。
次ページでは、プログラミングに限らず、さまざまな分野の学習コンテンツを提供しているサイトを紹介しよう。
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