放っておいてもいいの?――五月病かな、と思ったら:仕事が「つまんない」ままでいいの?(5)(1/2 ページ)
ゴールデンウイークが終わったころにはじまる五月病。あなたは“ゆううつ”な気分ではありませんか? 五月病はちょっとした「“こころ”と体のメンテナンス」で乗り越えられます。仕事の不満や悩みを解消するヒントをお届けする本連載、今回のテーマは「五月病」です。
春は入社、異動、転勤、転職など、一年の中で最も環境の変化が多い季節です。
4月は新しい環境への期待感で、忙しくも充実した気持ちで過ごすことができました。緊張も感じましたが、程よい緊張感は毎日の「“こころ”のハリ」でもありました。また、ゴールデンウイークを前に、旅行や帰省などの楽しくワクワクする計画が、忙しい毎日を乗り越えさせてくれましたよね。
一方、今はどうでしょうか。4月と比べると何となく“ゆううつ”でやる気がでない。今後の不安や焦りがある……などの症状はありませんか。ゴールデンウイークが終わった季節に始まるこれらの症状は、「五月病」と呼ばれています。
五月病は「環境の変化や季節的な疲れによって生じる、“こころ”や体の不調」の総称です。原因は、「新しい環境にうまく馴染めないままゴールデンウイークに入り、休み明けに疲れが一気に出る」「長い休みが終わって仕事に行きたくなくなる」など諸説あります。
4月は「“こころ”のハリ」だった期待感や緊張感が、5月になると現実感に変わってきます。「職場が予想していた雰囲気と違う」「やりたいことができそうにない」「ずっとこのままでいいのだろうか」と、新しい会社を選んだ後悔や、新しい職場での先行きの不安が出てくるかもしれません。単純に、ゴールデンウイークの楽しいイベントが終わってしまった喪失感や、季節の変わり目に起きる体のだるさが、原因かもしれません。
五月病は「病(やまい)」という字が付いていますが、いわゆる「病」というよりも、一時的な“こころ”や体の不調で、放っておけばそのうち良くなる……というのが一般解でしょう。しかし、五月病がきっかけでメンタル的に落ちてしまう人もいます。
転勤がきっかけで五月病になったSさん
30代の管理職 Sさんは、4月に異動を言い渡されました。職場が自宅から通えない場所になったため、家族と離れて単身赴任することになりました。
最初の1カ月は新しい職場に慣れることに精いっぱいで、時間はあっという間に流れました。
ゴールデンウイークを地元に戻って家族と過ごし、職場に戻った連休明けのある日。仕事が終わって家に帰ると、部屋は真っ暗です。ビールを飲みながら一人でコンビニ弁当の夕食を食べていると、家族と一緒だった日々が思い出されます。何となく寂しい……。最初は「五月病かな?」くらいに、軽く思っていたそうです。
このような日々が続き、寂しさを紛らわすためのビールの量は次第に増えていきました。アルコールが入るとますます感傷的になり、自然と涙が出てくる夜もあったSさんは、「“こころ”が不安定になっているかも」と感じ始めたそうです。
そして、Sさんは心療内科を受診。うつ病と診断され、薬を服用するようになりました。しかし薬はあまり効かず、副作用で頭がふらふらしたり、やる気がますます出なくなったりする日が続いたそうです。
ビジネスパーソンとメンタルヘルス
Sさんは幸い今は落ち着いているそうですが、これは誰もが経験しそうなこと。決して特別なことではありません。Sさんのようにならない(言い方を変えれば、五月病を乗り越える)ためにはどうしたらいいのでしょうか。
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