仕事とは? 働くとは?――「働く意味」を見いだすロジカルシンキング:仕事が「つまんない」ままでいいの?(1)(1/2 ページ)
仕事に自信を持ち楽しく働くためには、自分なりの「働く意味」を持っていることが大切。「働く意味」を見いだす思考プロセスを紹介します。あなたにとって仕事とは、働くとは何ですか?
NPO法人しごとのみらいの竹内義晴です。ビジネスパーソンが抱える職場の人間関係や自分とのコミュニケーションの問題をより良くしていくための講座・研修の講師や、文章で伝える仕事をしています。活動のテーマは、「仕事を“楽しい”に変えること」。ご縁あって、@IT自分戦略研究所で連載記事を書くことになりました。よろしくお願いいたします。
もともとはIT業界出身です。美しいコードが何よりのごちそうな、技術肌のプログラマーでした。「ずっとプログラマーの仕事をしていたい」と思っていましたが、紆余曲折があって現在の仕事にたどり着きました。以前なら、今の仕事はやりたくない(というより、想像もつかない)部類ですが、今はそれが「楽しい」と言っているのですから、人生とは面白いものです。
好きな仕事がずっとできれば、それに越したことはないのでしょう。けれども、人生には自分の思い通りにならない時期があるものです。その時期の真っ最中には気付きませんが、あとで振り返ってみると、この「思い通りにならない時期」はとても大事です。その時期の過ごし方によって未来は変わるんだろうなと、最近よく思います。つまり、壁のように見えるそれは、実は、新しい未来を開く扉なのでしょうね。
現在は職業的なプログラマーではなくなりましたが、今でも感覚的には、自分のことをプログラマーだと思っています。なぜなら、プログラマーはソフトウェアに限らず「新しいものをデザインし、組み立てていくこと」が仕事だからです。人生も同じなのではないでしょうか。
連載の趣旨
あなたが今この記事を読んでいるということは、エンジニアである、もしくはエンジニアに近い仕事をされているのだと思います。エンジニアは新しいソフトウェアやサービス、製品をデザインし、創り出すクリエイターです。
もしあなたが真のエンジニアなら、ソフトウェアだけではなく、あなたの仕事やキャリアも、あなた自身でデザインし、プログラミングしてみたらどうでしょう? あなたには、その力があります。なぜなら、あなたはクリエイターだから。
けれども、新しい一歩を踏み出すというのは、なかなか勇気がいるものです。
この連載は、仕事の中でモヤモヤを抱えたり、次の一歩がなかなか踏み出せなかったりしたときのヒントになればいいなと思っています。そして、「こういうときはこうしましょう」というような“答え”(How To)よりも、自分なりの答えを、自分の頭で“なぜ”(Why)を考え、行動につなげられるようなお話をしましょう。
仕事とは? 働くとは?
初回である今回は、仕事の大前提である「仕事とは何か?」「働くとは何か?」について考えます。
あなたにとって、仕事とは何でしょうか? 働くとは、何ですか? 毎日会社に行って仕事をして働いているのに、あらためて問われると困りますよね。
ちなみに「仕事」を辞書でひくと、「何かを作り出す、または、成し遂げるための行動。生計を立てる手段として従事する事柄。「働く」は「仕事をする。労働する。特に、職業として、あるいは生計を維持するために、一定の職に就く」とありました。
一方、「仕事とは?」「働くとは?」と問い掛けてみると、多くの人は「お金を得るための手段」と答えるかもしれません。「金のためだけに働いているのか。ちょっと寂しいな……」と思うかもしれませんが、これはこれで事実なので、別に悪いことではありません。
しかし、対外的には格好悪いので、別の言葉を使っている人もいるでしょう。例えば、「社会貢献の場」「傍(はた=他社)を楽にすること」「自己実現の場」「自分を成長させる場」「やりがいや生きがい、達成感を得る場」「自分の可能性を試す場」「人と人とがつながる場」などのように。
けれども、どんなに美しい言葉を使っても、心の底から「あ〜、自分はこのために仕事をしているんだなぁ」と思えていないのなら、あまり意味がないかもしれません。なぜなら、表層的な仕事感では仕事に対する動機付けにつながらないからです。
仕事を楽しくするためには、自分なりの、自分の言葉でつづった「働く意味」を持っていることがとても大切です。
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