Windows 10の発売日が決定! パッチ適用トラブルの迷宮から抜けられる日は近い?:山市良のうぃんどうず日記(38)(1/2 ページ)
ある日突然襲い掛かるWindows Updateの不調。筆者はつい先日もトラブルに遭遇したばかりです。Windows 10では「Windows Update」が新しくなるようですが、毎月のように繰り返される“トラブルの迷宮”から抜けられる日は来るのでしょうか。
更新のためだけに月一で起動する仮想マシンで更新が進まない問題
Windows 10の発売日が「7月29日」に決まりました。Windows 10ではセキュリティパッチを提供する「Windows Update」が新しくなります。Windows 10では、毎月一回の定例更新ではなく、随時、セキュリティ更新が行われるようになるのですが、これが大丈夫なのか心配しています。というのも、4月に筆者はWindows Updateのトラブルに見舞われているからです。
- Hello World: Windows 10 Available on July 29[英語](Microsoft Blogging Windows)
- 「Windows 10」は7月29日に発売(ITmedia PC USER)
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筆者の仕事環境には、いくつか仮想化環境があるのですが、その中の64ビット版Windows 7 Service Pack(SP)1のPCには、Windows Virtual PCがあり、Windows XPからWindows 7までの古いバージョンのWindowsの仮想マシンを検証用に残しています。
古いバージョンのWindowsの仮想マシンは、2014年4月にサポートが終了したWindows XPを除いて、可能な限り、毎月1度は起動して、その月の更新プログラムを適用して最新状態を維持するようにしています。
4月は特に何も問題はありませんでした。それが1カ月ぶりに起動したWindows 7ゲストの二つの仮想マシンでWindows Updateを実行したところ、1時間以上経っても“更新プログラムを確認しています”のまま、先に進まないというトラブルに遭遇しました(画面1、画面2)。
「タスクマネージャー」を見ると、「svchost.exe」のプロセスによってCPUの使用率が100%になってしまっています。似たような現象は、かつてWindows XPやWindows Server 2003でよくありました。2013年の年末にサポート終了間際のWindows XPにおいて、Windows Update実行時にCPU使用率が100%になる問題がちょっとした騒ぎになりました。
CPUの使用率が100%になるからといって、Windows Updateを完了できなかったわけではありません。「C:¥Windows¥WindowsUpdate.log」のログを確認しても、これといって問題が発生しているようなことはありませんでした。ただ、CPUの使用率が100%と高く、処理がストップしている状態が続いているのです。問題の仮想マシンのうち一つは何も対処せず、一晩放置しておきました。すると、夜間の自動更新の時間(AM3:00)からの更新で完了していました。
もう一つの仮想マシンは、Windows Updateのコンポーネントのリセットやエージェントの再インストールなど(下記Webサイトを参照)をしてみましたが、状況は改善されませんでした(画面3)。
- Windows Updateのコンポーネントをリセットする方法(マイクロソフト サポート)
Windowsを「セーフモード」で起動し、Windows Updateを実行(下記記事を参照)してみましたが、全く状況は変わりません(画面4)。
- セーフモードでもWindows Updateしたい[その2](本連載第8回)
結局、終わるまで待つことが解決策に
結局、こちらの仮想マシンも更新プログラムの確認を開始して、CPUの使用率が100%のまま放置しておくことに……。粘り強く待っていたところ、3時間半後にようやく更新プログラムの確認が完了し、インストールを開始することができました(画面5)。
5月のWindows Update完了後に、もう一度Windows Updateを実行してみたところ、短時間で更新プログラムの確認が完了し、問題は再現しませんでした。10日後に実行してもCPU使用率が100%に張り付くこともなく、数分で新しい更新(Windows Defenderの定義ファイル)を検出しました。問題が発生していたのは4月の更新完了後から5月の更新の確認完了までで、問題の原因は不明のままです。
問題の現象や発生時期からすると、以下のブログ記事の問題が似ているのですが、こちらの問題は「Windows Server Update Services」(WSUS)を使用している場合の問題のようで、筆者の環境には当てはまりません。
- 古い「IEの累積的なセキュリティ更新プログラム」が承認されていると、更新プログラムの検出処理時にWSUSクライアントのCPU使用率が高くなる(マイクロソフト Japan WSUS Support Team Blog)
ただ1点、「WSUSクライアントのマシンスペックが低い環境」という状況には該当します。そもそもシングルコアのPC(Windows Virtual PCの仮想マシンはシングルコアです)では、Windows Updateは負荷の高いタスクになってしまうことがあるのかもしれません。
さて、Windows 7仮想マシンの更新が終わったので、次はWindows Vista仮想マシンの更新です。すると、こちらもCPU使用率100%でなかなか進まない。何も対処せず気長に待っていたところ、1時間半ほどで更新プログラムの確認が完了し、インストールを開始できました。
トラブルに遭遇すると、慌てていろいろいじってしまいますが、まずは冷静になって、気長に待ってみる、あるいは数日後に試してみるという対応が適切なのかもしれません。もし、同様の問題で5月の更新が完了していないという方は、夜間や休日を利用して、Windows Updateを開始して放置してみましょう。
2015年5月のWindows Updateで面倒な問題に遭遇した人もいるようです
筆者の場合、5月のWindows Updateで問題になったのは、Windows 7とWindows Vistaゲストを実行する仮想マシンだけでした。しかし、世の中には5月の更新で大変な目に遭った人もいるようです。
それは、以下の問題です。当初はデルの一部のPCで発生する問題として、デルのナレッジベースが公開されました。その後、更新プログラム「KB3020369」に起因する、デル以外のPCでも発生する不具合であるということになりました。
この問題に遭遇してしまった方は、さぞ大変だったことでしょう。問題が発生したPCは、無事、トラブルから生還できたでしょうか。
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