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Windows 10プレビュー版、最新ビルド「10061」はUI改善が中心、メール/カレンダーアプリも新しく山市良のうぃんどうず日記(33:特別編)

2015年4月22日(米国時間)、次期Windowsのプレビュー版「Windows 10 Technical Preview」の最新ビルド「10061」が一般公開されました。この夏(7月というウワサも)にも正式リリースされるWindows 10。最新ビルドは正式版により近いものになっているはずですが、さて……。

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最新ビルド「10061」はどこが変わったの?

 Windows 10 Technical Preview(TP)の最新ビルド「10061」は、「Windows Insider Program」に参加し、新しいプレビュービルドの入手方法として「Fast Ring(高速)」を選択しているユーザーにWindows Updateを通じて提供されます(画面1)。

画面1
画面1 新しいプレビュービルドの入手方法として「Fast Ring(高速)」を選択していれば、Windows Updateのタイミングでビルド「10061」へのアップグレードが始まる

 対象のユーザーは、4月23日以降のWindows Updateのタイミングですでにアップグレードされているか、間もなくアップグレードが始まるでしょう。前回のFast Ringユーザー向けビルド「10049」と同様に、今回もISOイメージによる提供はありません。

 ちなみに、これまで提供されてきたビルドを振り返ると「9841」(2014年10月1日)、「9860」(10月21日)、「9879」(11月12日)、「9926」(2015年1月23日)、「10041」(3月18日)、「10049」(3月30日)で、日本語版および日本語言語パックの提供はビルド「9926」からになります。

 筆者は、英語版しかなかったビルドからアップグレードを繰り返し、その都度、日本語言語パックを追加して日本語化してきました(画面2画面3)。ビルド「10061」は公開の翌日には日本語言語パックが利用可能になっていました。

画面2
画面2 英語版のビルド「10061」。アイコンのイメージが一新されている
画面3
画面3 日本語表示のビルド「10061」。スタートメニュー、タスクバー、アクションセンター(画面右側)は既定で黒い背景に統一

 ビルド「10061」にアップグレードしてすぐに気が付くのは、「ごみ箱」や「エクスプローラー」のアイコンが一新されたこと。その他の変更点については、以下のブログ記事で説明されています。

 具体的な変更点としては、以下の5点になります。最初の新しくなったアプリを除けば、UI(ユーザーインターフェース)の改善が中心です(画面4〜画面7)。

  • 新しい「メール」および「カレンダー」アプリ
  • スタートメニュー、タスクバー、アクションセンターの改善
  • Continuum(タブレットモードの切り替え機能)の改善
  • タスクビューの改善
  • 仮想デスクトップの改善
画面4
画面4 「メール」と「カレンダー」アプリが新しくなった
画面5
画面5 画面5 改善されたというタスクビューと仮想デスクトップ。タスクビューからアプリやウィンドウを終了できるようになった
画面6
画面6 サインイン画面も新しくなったのかな?
画面7
画面7 [Ctrl]+[Alt]+[Del]キーを押すと表示される画面(セキュリティで保護されたWinlogonデスクトップ)はダウングレード?

Fast Ringはバグ多し

 Windows Insider Programに参加して、Windows 10 Technical Previewを評価している方は承知のことと思いますが、Fast Ringで提供されるビルドは以前のバグが修正されている一方で、新たなバグも多く含んでいます。

 例えば、前回のビルド「10049」では「クライアントHyper-V」の機能を新たに有効化できないという問題があったようですが、今回のビルド「10061」でこの問題は修正されています。

 また、スタートメニューのデスクトップアプリケーションのショートカットが機能せず、アプリケーションを開始できない(環境によってはできる場合もあります)、新しい「メール」「カレンダー」アプリにバグがあるので新バージョンに自動更新されるのを待つ必要がある、サインイン/サインアウト時にマウスカーソルだけの真っ黒な画面になることがある、など多数の新しいバグが存在します。

 これらは既知のバグであり、先ほどのブログ記事内の「Here are some known issues for this build」で言及されています。新しいビルドを評価する前に、一度は目を通しておくことをお勧めします。

 “スタートメニューのショートカットが機能しないのに、どうやってアプリケーションを開始するの?”なんて思うかもしれませんが、Windows 10 Technical Previewは“PCの専門家”や“ITのプロ”“アプリケーション開発者”を対象に提供されているものです。そのような方なら、どうすればよいのかなんて説明はいらないでしょう。

スタートメニューにある謎の“仕事率”とは?

 ところで、英語版のスタートメニュー(前出の画面2)と日本語版のスタートメニュー(前出の画面3)を見比べて、何か気が付くことはないでしょうか。

 今回のビルドで、スタートメニューの「電源オプション」ボタンの位置が、スタートメニューの右上から右下の「すべてのアプリ」のすぐ上に移動しました。英語版の「Power」は、日本語では「電源」あるいは「電源オプション」のはずですが、ビルド「10061」では「仕事率」と表記されています。

 この「仕事率」という表現ですが、以前のWindowsのどこかで見た覚えがあります。マイクロソフト製品の用語やUIの訳語を検索できる「マイクロソフトランゲージポータル」で「Power」や「仕事率」を検索してみたところ、Windows 7にこの表記が存在することが分かりました。

 そこで、Windows 7の中を探してみたところ、「電卓」(Calc.exe)の「単位の変換」機能にありました(画面8)。物理学で使う「仕事率(Power)」のことのようです。Windows 8以降の「電卓」や「電卓」アプリでも「仕事率」を見つけることができます。なぜに、スタートメニューにこの訳が入り込んでしまったのでしょうか? 次のビルドでどうなっているのか、楽しみですね。

画面8
画面8 「仕事率」は、Windows 7以降の「電卓」(Calc.exe)や「電卓」アプリで見つかります

Windows 10を試す前には、まず一読を!

 本連載では、これまで何度かWindows 10 Technical Previewを取り上げています。特に、新しいビルドがリリースされたときには、今回のように「特別編」として、変更点などを解説してきました。もうすぐ始まる長いお休みの間に、Windows 10 Technical Previewを「ちょっと試してみようかな」と思っている方は、過去の記事もぜひ参考にしてください。

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筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Hyper-V(Oct 2008 - Sep 2015)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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