マイナンバー制度対応に関する準備事項の整理:みならい君のマイナンバー制度対応物語(2)(1/2 ページ)
マイナンバーに対応するため、システム改修はいつまでに終わらせるべき? 個人番号の取扱プロセスは? 準備するべきこと、対応に必要な知識をみならい君と一緒に学びましょう。
この物語は、見習い内部統制室メンバーの「みならい君」が、上司や先輩に指導を受けながら、マイナンバー制度への対応作業を行っていく物語です。
読者の皆さまには、この連載を通じて、マインナンバー制度への対応作業のポイントをご理解いただき、お役立ていただければ幸いです。
なお、「みならい君」が所属する会社は、2015年4月に内部統制室が発足し、最初の仕事として、マイナンバー制度への対応を行うことが決定しました。
第2回目のテーマは、「マイナンバー制度対応に関する準備事項の整理」です。
準備事項や制度開始後の実施事項の概要
よ〜し、みんなそろったかな〜?
は〜い、本日もよろしくお願いしま〜す!
常務! 今日は、マイナンバー制度対応に関する準備事項の理解ですね!
そうだね。この制度の開始のための準備事項は、自治体などが実施すべきことと、企業などが実施すべきことの二つに大別できるね!
はい、特に自治体などは、既にこの制度の準備作業に入っていますよね?
へ〜そうなんですね、具体的には?
自治体などの実施事項は、「特定個人情報保護評価の実施」「住民への個人番号付番・通知」そして、来年からの「届出・申請等での個人番号の利用」「個人番号カードの交付」「2017年以降の他情報保有機関との情報連携」などが挙げられるわ!
「特定個人情報保護評価」って何ですか?
「特定個人情報保護評価」は、特定個人情報ファイルを保有する国の行政機関や地方公共団体等が、特定個人情報の漏えいやその他の事態を発生させるリスクを分析し、そのようなリスクを軽減するための適切な措置を講ずることなどを、宣言することを指すんだよ
なるほど、そういえば、「特定個人情報」ってマイナンバー(個人番号)のことですか?
厳密にいえば、マイナンバー(個人番号)を含んだ情報ということね!
なるほど。でも良かった。特定個人情報保護評価は民間企業はやらなくてよいのですよね?
そうだね、あくまでも番号法の第26条、第27条では、「国の行政機関や地方公共団体等」としているので一般的な民間企業は義務になっていないね、ただし、ガイドラインでは、「特定個人情報保護評価の実施が義務付けられていない事業者が、任意に特定個人情報保護評価の手法を活用することは、特定個人情報の保護の観点から有益である」としていることから、自発的にCSR(企業の社会的責任)の一環として、実施し、その結果を公表するような民間企業も出てくるかもしれないね
もう一つだけ質問!「個人番号カード」は住基カードみたいなものですか?
そうだね、このカードは身分証明書としても利用できるように、表面と裏面に記載事項が分かれているんだよ、表面は主として身分証明書として利用できるように顔写真が入り、基本情報が記載される予定なんだよ。従って、表面には個人番号が記載されない予定だから、何かの手続きで、身分証明のためのコピーを取られても、個人番号が複写されることはないんだよ!
へ〜そうなんですね
そして裏面が、法に基づく個人番号の提出時に番号確認のために用いられる面だよ、したがって、この裏面をコピーできる者は、行政機関や雇用主など、法令に規定された者に限定されることになるんだよ
なるほど、便利ですね!
うん、そうね、ただし気を付けなければならないのは、あくまでも希望者にしか発行されないことよ!
へ〜、それじゃあ希望しないで、持っていない人から個人番号を取得する場合は大変ですね!
そうだね、これについては次回のミーティングで明らかにしよう! ともみ君、制度の準備作業に関する説明を続けてくれるかな?
表面(案) | 裏面(案) | |
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記載事項 | タイトル(個人番号カード) 氏名 住所 生年月日 性別 有効期間 写真 など |
個人番号 氏名 生年月日 注意事項 など |
個人番号の記載 | なし | あり |
コピーについて | コピーできる者に制限はない(本人同意等によりできる) | コピーできる者は、行政機関や雇用主など、法令に規定された者に限定される |
図2 個人番号カード |
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