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Windows 10は謎だらけ――わたしも知らないWindows Updateの今後山市良のうぃんどうず日記(43)(1/2 ページ)

Windows 10の正式リリース日「7月29日」まであと数日。しかし、まだまだ明らかになっていない謎の部分があります。今回は、その謎の一つ、「Windows Update」について筆者が調査した結果を報告します。

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まだまだ謎の多いWindows 10、誤った情報や誤解も多い

 筆者のもう一つの連載「その知識、ホントに正しい? Windowsにまつわる都市伝説(36):正式リリース直前、あなたの知らないWindows 10のウソ・ホント」では、Windows 10にまつわる誤った情報や誤解を解いていきました。

 しかし、Windows 10にはまだまだ謎の部分があります。筆者だけでなく、多くのユーザー、特にIT管理者の方が気になっている謎の一つが「Windows Update」でしょう。今回は、Windows 10のWindows Updateについて、筆者が最新のInsider Previewビルドで試した調査結果で補足していきます。

Windows 10のWindows Updateは「自動更新」のみって本当なの?

 間もなくリリースされるWindows 10で、Windows Updateとして広く知られているWindowsの更新機能が大きく変わろうとしています。

 しかし、Windows 10を評価し、品質向上に貢献してきたInsider Previewプログラム参加者の多くでさえ、Windows 10のWindows Updateがどうなるのか、正確なことは分かっていないでしょう。もしかしたら、7月29日にWindows 10が正式リリースとなっても、その時点で分かるのは個人ユーザー向けの更新機能だけかもしれません。

 Windows 10 Insider Previewの最新ビルド「10240」の「マイクロソフトソフトウエアライセンス条項」に追加された更新プログラムに関する条項、およびWindows 10 Insider Previewの最近のビルドに搭載されているWindows Updateの機能から、次のようなニュースやブログ記事、SNSの投稿を目にするようになりました(画面1)。

  • Windows 10のWindows Update機能は自動更新の機能しか提供されない
  • 企業向けにはいくつかの更新管理オプションが用意されるが、Homeエディションは自動更新しか選択肢がない
  • Windows Updateのために使用中に突然再起動させられることになる

画面1
画面1 「Insider Preview Build 10240」で差し替えられたWindows 10製品版のものとされるライセンス条項。更新プログラムのインストールについて気になる記述が……

 次の画面2は、Windows 10 Pro Insider Preview ビルド10240のWindows Updateのユーザーインターフェース(UI)です。このWindows UpdateのUIと機能は、Windows 10 Insider Previewとして提供されているPC向けのHome、Pro、Enterpriseエディションで共通です。

画面2
画面2 Windows 10 Insider Preview ビルド10240のWindows UpdateのUI。Home、Pro、Enterpriseエディション共通であり、Homeエディションだけ特別な部分というものはここにはない

 Windows 10 Insider PreviewのWindows Updateは、「設定」の「更新とセキュリティ」→「Windows Update」ページから行うのが、標準のUIとしては唯一の方法です。

 「詳細オプション」を開くと、更新プログラムのインストール方法として「自動(推奨)」または「再起動の日時を設定するように通知する」のいずれかを選択できるようになっています。その他にもいくつかオプションがありますが、“自動更新を無効化して手動実行で運用する”というオプションは用意されていません。

 Windows 7/8.1のWindows Updateとの最大の違いは、インストールする更新プログラムを選択する機能が、Windows 10 Insider Previewには存在しないところです。Windows 7ではコントロールパネルの「Windows Update」を、Windows 8.1ではコントロールパネル、または「PC設定」にある「Windows Update」を使用して、選択した更新プログラムの手動インストールを実行できました(画面3)。

画面3
画面3 Windows 8.1におけるWindows Updateの手動実行。インストール対象が選択できる他、重要な更新プログラムを非表示にして自動インストールされないように構成することもできる。Windows 10の“Insider Preview”ではこれらの操作ができない

 Windows 10 Insider Previewのコントロールパネルからは、「Windows Update」が削除されています。「PC設定」の後継となる「設定」の機能からは、Insider Previewに関しては自動更新にお任せするか、または「再起動の日時を設定するように通知する」オプションに変更して再起動の日時を指定するかのいずれかの方法しか選択できません。再起動は、最大で1週間延期することができます。しかし、ダウンロードやインストールの開始を指示したり、インストールする更新プログラムを選択したりするオプションは用意されていません。

 ちなみに、「Technical Preview」と呼ばれていた初期のプレビュービルドでは、レジストリを編集することでコントロールパネルのWindows Update機能を復活させる裏ワザがありました。しかし、その裏ワザはもう使えません。少なくとも、Windows 10 Insider Previewとして提供されたころには、すでにコントロールパネルのWindows Updateは完全に削除されていました。

 セキュリティ更新プログラムや更新されたドライバーが原因で、一部のPCの正常起動やアプリケーションの実行に影響するというトラブルは、これまでのWindowsで幾度となく繰り返されてきたことでした。手動で更新プログラムを選択できないというのでは、更新プログラムに起因するトラブルが発生した際に、そのトラブルを回避あるいはトラブルから復旧する手段がなくなるように思えます。これでは無料とはいえ、Windows 10にアップグレードすることに不安を感じる人は多いのではないでしょうか。

 でも、ちょっと待ってください。このWindows UpdateのUIと機能は、あくまでもWindows 10 Insider Previewのものです。それは、「Insiderビルドの入手」というオプションがあることからも分かるでしょう。

 Windows 10 Insider PreviewのWindows Updateの機能が、正式リリースにそのまま搭載されるとは限りません。もしかしたら、“ダウンロードやインストールの開始を通知するオプション”が提供されるかもしれませんし、“インストールする更新プログラムを選択できるようになる”かもしれません。あるいは、Insider PreviewのWindows Updateの機能がそのまま実装されるのかもしれません。

 Windows 10でWindows Updateがどうなるのか、Insider Previewプログラム向けではない、正式版が登場しない限り、はっきりしたことは分からないというのが実情です。そこで、仮にInsider PreviewのWindows Updateの機能がそのまま実装されるものとして、Windows Updateの不安を解消できる要素があるかどうか、筆者なりに探してみました。

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