Unreal EngineのSky SphereやAtmopsheric Fogを使った空の背景の設定&Light Sourceを使った光の当て方:UnityユーザーのためのUnreal Engine入門(3)(1/2 ページ)
本連載では、ゲーム開発環境「Unity」になじんだ筆者が、Unreal Engineの基本的な使い方を解説していく。今回は、Sky SphereやAtmopsheric Fogを使った空の背景の設定や、Light Sourceを使った光の当て方などについて。
空の背景を設定してみよう
前回の「マテリアル、アクター、カメラ操作で分かるUnreal Engineの基本的な使い方」では、マテリアル、アクター、BSP、カメラの概要、マテリアルの作り方、アクターの配置、保存、複製、グループ化などについて基本的な使い方を解説した。
今回は空の背景(以下、便宜上「スカイ」と呼ぶ)の設定の仕方や光の反射具合を設定する「Atmopsheric Fog」の使い方について解説する。
プロジェクトの作成
まずは「アンリアルプロジェクトブラウザ」から新規プロジェクトを作成する。Unreal Engine 4を起動すると「アンリアルプロジェクトブラウザ」が起動し、前回作ったプロジェクトが「プロジェクト」内に登録されているはずだ(図1)。
「新規のプロジェクト」のタブをクリックして、「デスクトップ/コンソール」→「スターターコンテンツがありません」を選択し、プロジェクト名に「SkySample」と入力して、「プロジェクトを作成」ボタンをクリックする。
今回は「スカイ」について解説するが、ビューポート上に何も配置されていないと面白みがないし、光の当たり方も分からないので、「コーン(円錐)」を配置する。前回解説したマテリアルの作成方法で、「BlueColor」マテリアルを作成して、青系統色の「コーン(円錐)」をモードパネルの「BSP」からビューポート上に配置しておこう(図2)。
図2を見ると「スカイ」は表示されていない。この状態で「スカイ」を表示させるには、一度「プレイ」を実行する。「カメラ」は配置していないので、図3のように表示されるだけだ。
図3の状態で「停止」をクリックする。その後、「World Outliner」から「Cornブラシ」を選択する。すると「コーン(円錐)」の背景に「スカイ」が表示される(図4)。
「Sky Sphere」で太陽を表示させる
太陽は、図4の画面でも配置されてはいるのだが、かなり上方にあるため、画面の枠内には表示されていない。枠内に太陽を表示させてみよう。
「World Outliner」から「Sky Sphere」を選択し、マウスを右クリックして、ビューポートをドラッグしながら移動/回転させて太陽のある位置を表示させる(動画1)。
すると、図5のように太陽が表示される。
ここで、Unreal Engine 4の「ファイル」→「保存」から「SkySettingSample」という名前で保存しておこう。
太陽の明るさを指定する「Sky Sphere」の「Sun Brightness」
「World Outliner」から「Sky Sphere」を選択すると、「詳細」のタブ内に各種プロパティの設定画面が表示される。この中で、「Default」にある「Sun Brightness」は太陽の明るさを表す。値が大きいほど明るくなる。デフォルトで「50」と表示されているが(図6)、これを「200」に変更してみよう(図7)。
「カメラ」の設定
ここで、モードパネルの「全てのクラス」から「カメラ」を追加し、「回転ツール」を使って「カメラ」を雲の方に向けておこう。
続いて、「World Outliner」から「CameraActor」を選択して、「詳細」タブの「Auto Play Activation」にある「Auto Activate for Player」に「Player 0」を選択しておこう。
なおUnityには、空の背景を設定するものとして、「Main Camera」に「Inspector」で設定する「Skybox」というものがあるが、このUnreal Engine 4ほどのきめ細かい設定はできない。
雲の流れの速さを設定する「Sky Sphere」の「Cloud Speed」
これで、ツールバーの「プレイ」を実行すると「雲」がゆっくりと流れているのが分かる。動画2のようになる。雲があまりにゆっくり流れているので、じっくりと見ていないと流れているかどうかさえ分からないかもしれない。
この雲の流れを速くしてみよう。「Sky Sphere」の「詳細」タブの、「Default」の中の、「Cloud Speed」がデフォルトで「2.0」になっている、これを「30.0」に書き換えてみよう(図8)。
「プレイ」で実行しなくても、ビューポートの中で雲が速く流れているのが分かる(動画3)
雲の量を設定する「Sky Sphere」の「Cloud Opacity」
次に、「Sky Sphere」の「詳細」タブの「Default」を見ると、「Cloud Opacity」という項目が見える。「Opacity」とは透明度を表す。よって、「Cloud Opacity」とは「雲の量」だと考えるといいだろう。この値を小さくすると「雲の量」が少なくなり、「0」と指定すると、雲が全くない快晴になる。値を増やすと雲の量が増える。
この「Cloud Opacity」に「2.0」と指定すると図9のような表示になる。
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