会社、辞めてもいいの?――「仕事がつらい」の本質の見極め方:仕事が「つまんない」ままでいいの?(9)(1/3 ページ)
あなたは「会社を辞めたい」と思ったことがありますか? 仕事の不満や悩みを解消するヒントをお届けする本連載。今回のテーマは「転職で問題解決できるか」です。勢いに任せて退職する前に「問題の本質」を見極めると、モヤモヤした頭の中が整理され、解決の糸口が見えてきます。
「先が見えず、将来が不安」「職場の人間関係が悪く、ストレスがたまっている」「キャリアの方向性がはっきりしない」「夢と現実間にギャップがある」「メンバーのまとめ方やマネジメントで困っている」……私は、そんな迷えるビジネスパーソンの相談に乗っています。
先日、あるシステムエンジニア(以下、SE)から受けた相談のテーマは「転職」。「SEの仕事がしんどい。そこで、思い切って転職したい」という内容でした。しかし、相談者の声に耳を傾けていると、問題の本質は「SEの仕事」ではなく、別のところにありました。それに気付いた結果、モヤモヤした頭の中が整理でき、今、やるべきことが見えてきたのです。
転職は善くも悪くも多くのエネルギーを使います。「次の会社ではこんなことがやりたい!」というビジョンが明確で、前向きな気持ちならいいのですが、実際にはそうでない場合も多いもの。「今の仕事が嫌だから」と勢いに任せて会社を辞めてしまうと、のちに後悔することもあるでしょう。
それならば、「そもそも何が問題なのか(問題の本質)」を見極め、今の環境でもできることを始めれば、モヤモヤした頭の中が整理され、問題を解決する糸口が見えてくるかもしれません。
そこで今回は、転職の前に考えたい「問題の本質」の見極め方について話しましょう。
SEが悩んでいたこと
相談者のSEが悩んでいたのは、次のような内容でした。問題のない範囲に一般化して、紹介します。多くのSEが、似たような環境にいるはずです。
1 仕事は受託のシステム開発案件が中心。クライアントの意見が強く、不合理ではあるが、クライアントの意見に従わざるを得ないことが多い
2 プロとして提案しているにもかかわらず、クライアントの素人判断で口出しされるのが嫌
3 度重なる仕様変更に、プログラマーからは「クライアントの不合理さを調整するのがSEの仕事でしょう」と責められる。クライアントと現場の板ばさみになっているのがつらい
このような理由で、転職を考え始めたのだそうです。気持ちが満たされないまま仕事をしているためかミスが多く、周囲から問題点を指摘されることが多くなっていると言います。
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