最大53TBのデータをクラウドにバックアップ――Azure Backup最新情報:Microsoft Azure最新機能フォローアップ(6)(2/3 ページ)
マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」では、日々、新たな機能やサービスが提供されています。今回は、「Azure Backup」サービスの新機能を紹介します。
最大53TBまでの大容量ボリュームのバックアップに対応
Azure Backupは2015年8月のサービス拡張とエージェントの更新により、1回の操作でバックアップ可能な対象ファイルサイズが、それまでの最大1.6TB(1700GB)から最大53TB(54400GB)にまで大きく拡張されました(画面3)。
スタンドアロンのWindows Serverの場合、保護対象となる1ボリューム当たりで最大53TBのデータをバックアップすることが可能です。これにより、大容量のファイルサーバーのボリュームをクラウドにバックアップできるようになりました。
Azure Backupでは初期バックアップコピーをクラウドに作成後、差分バックアップを行います。初期バックアップコピー時には、大容量データ転送にかかる時間と帯域幅の問題を回避するため、オフラインバックアップをAzureストレージに転送しておき、それをAzure Backupにインポートして初期バックアップコピーにするオプションが用意されています。
SCDPMのAzure Backupによる「オンライン保護」では、Hyper-V仮想マシン、SQL Serverデータベース、SharePointサイト、Exchange Serverデータベース、ベアメタル回復(BMR)またはシステム状態のバックアップをクラウドに転送することができます。
この場合のバックアップ可能な最大53TBの上限は、保護対象の仮想マシンのVHD(VHDX)の合計、個別のSQL Serverデータベース、SharePointコンテンツおよび構成データベースの合計、Exchangeデータベースの合計、BMRまたはシステム状態のバックアップのサイズになります。
Azure仮想マシンのC2Cバックアップが可能に
2015年3月からプレビュー提供が開始されたAzure仮想マシンのバックアップ機能は、仮想マシン単位でAzure IaaS上の仮想マシンをスケジュールバックアップする機能です。この機能が2015年8月にGAとなりました。
Azure Backupは、オフラインまたはオンラインのWindows/Linux仮想マシンをバックアップできます(画面4)。オンラインバックアップは、仮想マシンの展開時にインストールされて自動更新される「VMエージェント」が備えるバックアップ拡張機能でサポートされます。そのため、オンプレミスのバックアップのようにAzure Backup用のエージェントを展開したり、更新したりする必要がありません。
このVMエージェントのバックアップ拡張機能により、稼働中の仮想マシンに対してアプリケーションと整合性のある、またはファイルシステムと整合性のあるバックアップを取得することが容易になります。
バックアップは1日1回、または特定の曜日に1回実行することができ、日単位、週単位、月単位、年単位のリテンション(保持)期間で管理できます。保持期間はオンプレミスのバックアップと同様、最長99年をサポートします(画面5)。取得したバックアップは、Azure IaaS上にAzure仮想マシンとして復元できます。
Azure仮想マシンのバックアップは、同一リージョン内での「Cloud to Cloud(C2C)」のデータ転送であるため、オンプレミスとクラウド間のデータ転送よりも圧倒的に高速です。平均的なスループットは初回バックアップで160Mbps、以降の増分バックアップでは640Mbpsとされています。
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