連載
ITシステムの「ゴールキーパー」――ITサービスエンジニア(保守運用・監視/オペレーションエンジニア/ヘルプデスク/テクニカルサポート):ITエンジニア職業図鑑(3)(3/3 ページ)
プログラマー、SE(システムエンジニア)、プロジェクトマネジャー――IT業界のさまざまな職業を紹介する本連載。第3回は「ITサービスエンジニア」のやりがいや仕事内容を解説する。
ITサービスエンジニアの1週間
ITサービスエンジニアは具体的にはどのような仕事をしているのだろうか。1週間の活動内容の例を使って紹介しよう。
曜日 | 活動内容 |
---|---|
月曜日 | 保守・運用スケジュールを関係者で確認。スケジュールだけでなく、課題を共有し、全員で解決を図る。その後、現在運用を担当しているAシステム、Bシステム、Cシステムのバックアップの確認と、バックアップ用テープの交換作業を実施 |
火曜日 | 現在開発中のDシステムの運用計画作成と設計を行う。「時間内に他システムへの情報提供が完了するか」「毎朝定時のシステムサービス開始時間までに全ての処理が完了するか」などの点について特に気を使う。設計結果について上司のレビューを受け、指摘事項に対応する |
水曜日 | Dシステムの、顧客、開発担当者を交えた定例会議に出席。運用設計のレビューを行い、アプリケーションやインフラの設計について、運用現場の視点から指摘する。17:30に退社。 就寝中の3:00に電話が鳴る。Bシステムのトラブル発生連絡だ。眠い目をこすりながら状況を確認し、現地への駆け付け不要であると分かったため、自宅からリモートで指示対応する |
木曜日 | 過去に発生したCシステムのトラブルについて「原因究明」と「解決策を検討」し、「保守・運用の改善計画」を作成する |
金曜日 | Eシステムリリース作業への立ち会いで夜間業務のため、16:00に出社。入念に「作業手順の確認」を行った後、マシンルームへ移動し、リリース作業を実施。23:00に無事完了。 続いて、Eシステム夜間処理の初回稼働に立ち会う。2:00、全ての処理の正常稼働を確認後、退社 |
次回予告
「ITエンジニア職業図鑑」、次回は「ITセールス」を紹介する。
川村健一郎(かわむらけんいちろう)
大手外資系IT企業に2000年入社。SE、営業、業務コンサルタント職を担当。
2006年に野村総合研究所に入社。システムコンサルタント職を担当し、産業分野(流通・製造・公益・サービス業)や金融分野の法人企業に対するコンサルティング活動を経て、現在は「戦略IT研究室」に所属。先進技術動向・事例の調査研究やIT活用戦略の企画、出版・セミナー対応などを行っている。
専門は、IT運営構造改革やIT戦略・計画立案、コスト可視化・削減支援、アウトソーシング・サービス、企業ワークスタイル変革推進、IT調達改革、VMO(ベンダーマネジメント・オフィス)機能導入・運営など
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