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人工知能/自動化が家庭を変える――IoTとしての「家」は開発者にとってのフロンティアかアプリ開発コンテスト「家CON-2015」(1/3 ページ)

「スマートハウス」が持つ機能と、他のさまざまなデータを組み合わせることで、新たなサービスを生み出そうというコンテスト「家CON-2015」が開催され、10月下旬に審査結果が発表された。

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 ITを活用して、家庭内でのエネルギー消費を最適化する「スマートハウス」。この「スマートハウス」が持つ機能と、他のさまざまなデータとを組み合わせることで、新たなサービスやコンテンツを生み出そうというアプリ開発コンテストが開催された。

 「家CON-2015」と銘打たれたこのコンテストは、ハウスメーカーである大和ハウス工業が主催したもの。参加作品は2015年5月18日から7月21日にかけてインターネットを通じて募られ、1次審査を通過した10作品による公開2次審査と、審査結果の発表が10月24日に大和ハウス工業本社で行われた。

 スマートハウスに関連する技術要素として、家庭内のスマートメーター、発電・蓄電システム、エアコンや照明などの家電機器をネットワークで接続し、エネルギー使用の最適化を目指す「HEMS(Home Energy Management System)」がある。HEMSの業界標準プロトコルとしては、大和ハウス工業も会員である「エコーネットコンソーシアム」が策定した「ECHONET Lite」が、経済産業省より日本国内における標準プロトコルとして認定されており、各メーカーにより対応機器の開発が行われている。

 「家CON-2015」は、こうしたHEMS対応機器を通じてスマートハウスから得られる電力データや、家電の制御機能を、Web上で公開されている地図情報や気象災害情報といった多様なAPIと組み合わせて利用するアイデアを広く募ることで、スマートハウスの新たな可能性を模索することを目的に企画されたという。

 アプリの募集に当たっては「実働するアプリを開発すること」「多様な情報を組み合わせて使うこと」「応募作に関する情報をオープンにすること」という3つの要件が設定された。思いつきのアイデアだけではなく、実働するアプリを開発することで、実用性やビジネスとしての発展性を評価すると同時に、応募作を通じて異分野、異業種とのコラボレーションを触発することが狙いだという。

 アプリ開発者には、PC上で動作するスマートハウスシミュレーターと、消費電力のモニタリングや家電機器操作が可能なAPIとが提供された。この環境を利用して、実際のスマートハウスに起こる変化などを確認しながら、アプリ開発を行うことが可能となっていた。


シミュレーターとAPIを使う

 公開2次審査では、第1次審査を通過した10作品の開発者による各6分間のプレゼンテーションが行われた。同コンテストの審査員は以下の6人である。


左から、小林茂氏(情報科学芸術大学院大学[IAMAS]教授)、小笠原治氏(ABBALab代表取締役)、青木俊介氏(ユカイ工業代表)

左から、梅嶋真樹氏(JSCAスマートハウス・ビル標準・事業促進検討会副座長)、宇佐見正士氏(KDDI技術開発本部長 理事)、加藤恭滋氏(大和ハウス工業執行役員情報システム部長)

 2次審査に残った10作品は以下の通り。2次審査でのプレゼンテーション順に従って、概要を紹介する。

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