1Uラックで12テラバイト、中規模企業をバックアップする「Arcserve UDP 7300」発表:バックアップをアプライアンスで
仮想化時代のバックアップをより簡単に――Arcserve Japanがバックアップアプライアンス「Arcserve UDP 7300」を発表した。ハードウェアとソフトウェア、保守をセットにし、戦略的な価格帯で中規模企業層の導入を狙う。
Arcserve Japanは2016年1月12日、イメージバックアップ用ソフトウェア「Arcserve Unified Data Protection(UDP)」をプリインストールしたアプライアンス製品「Arcserve Unified Data Protection 7300 Appliance(以下、Arcserve UDP 7300)」を発表した。Arcserve UDP 7300は1Uラックに「Windows Server 2012 R2 Standard Edition」、12テラバイトのバックアップストレージ、そして重複排除処理のための240G SSDを搭載した製品。イメージバックアップとして対象のハードディスク全体を丸ごとバックアップする機能を持つ。
Arcserve UDPでは継続的な増分バックアップ機能により、大容量環境も短時間でバックアップが取れることを特長としている。Arcserve Japan 営業統括部 パートナーアカウントマネージャの中田皓介氏によると、「バックアップに4時間掛かっていた環境が、Arcserve UDPで2分28秒に短縮された」事例もあるという。また、仮想環境と物理環境、WindowsとLinuxなどの混在環境においても管理が容易としている。
今回発表されたArcserve UDP 7300は、中規模向けのアプライアンス製品として、ハードウェア、ソフトウェア(Arcserve UDP Advanced Edition相当)を組み合わせた形で提供される。ソフトウェア版Arcserve UDPはサーバ台数によるライセンス体系がとられていたが、Arcserve UDP 7300では保護対象台数を無制限にしている。また、製品価格には5年間のメンテナンスが含まれており、ハードウェア故障の場合はオンサイト対応も可能としている。
中田氏はこのライセンス体系について「ライセンスがバックアップ対象に対して課金されるモデルであると、仮想化へ移行する過渡期に無駄な費用がかかる場合があったが、Arcserve UDP 7300ならば移行期間中も移行後もずっと使える。Arcserveのイメージバックアップは物理から仮想環境へ移行する『P2V(Physical to Virtual)』ツールとしても使われており、その用途としても最適である」という。
Arcserve UDP 7300は1台340万円(税別、5年間保守サポート込み)で、2016年2月初旬から出荷を予定している。
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