サグラダ・ファミリアに納入のデータセンターがアワードを受賞:“建設中”のユネスコ世界遺産で稼働するITインフラの要件とは?
米シュナイダーエレクトリックは、同社のカスタマイズ型プリファブデータセンターが、DatacenterDynamicsのモジュール型部門でDatacenterDynamicsリーダーズEMEAアワードを獲得したことを明らかにした。このデータセンターは、スペインのサグラダ・ファミリアに採用されている。
米シュナイダーエレクトリックは、同社のカスタマイズ型プリファブデータセンターが、「DatacenterDynamics」のモジュール型部門で「DatacenterDynamicsリーダーズEMEAアワード」を獲得したことを明らかにした。このデータセンターは、ユネスコの世界遺産に登録されているスペインのサグラダ・ファミリアに採用されているという。
重要建造物ゆえのITニーズ
サグラダ・ファミリアは、観光客向けのデジタルチケットや認証、入場ゲートなどの新しいシステムに対応するため、ITシステムの処理能力を向上させる必要に迫られていたという。さらに年間約300万人の訪問者で混雑する場所であることから、現場のセキュリティを維持することも重要事項だった。例えば、周辺には250個以上の監視カメラが設置されており、それらを制御する必要がある。
まだまだ建築中、データセンターはどこに置く?
ただし、サグラダ・ファミリアは現在も建設途中であり、建物の中に新しいデータセンターを建設できず、しかも今後は建設区域が移動するため可搬性が必要とされていた。さらに、高水準のセキュリティと保全レベルを維持しながら、絶えず進展する建設プロセスに対応できるよう、弾力的で柔軟性のあるデータセンターが求められていたという。
そこで、このような特有のニーズに応えるため、設置スペースを最小限に抑えられ、必要なときに容易に移設できる、シュナイダーエレクトリックのカスタマイズ型プリファブデータセンターが選ばれたという。
同データセンターは、ラックやUPS、配電機器、空調機器、マネジメントアプリケーションをプリインストールしたものをモジュールとしており、すぐに設置できる状態で納入する。モジュールの筐体は耐久性とセキュリティを考慮して設計してあり、またデータセンターモジュールやプリファブ内のインフラ機器を移動式として運用するため、電気的・機械的な切り離しも容易にできる構造にしてあるという。
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