マイクロソフトがOpen Compute Projectに参加、クラウドサーバー仕様を提供:自社データセンターの設計仕様を提供
マイクロソフトがOpen Compute Projectに。自社で展開するクラウドサービスで利用しているデータセンターのサーバー設計仕様をプロジェクトに提供する。
米マイクロソフトは2014年1月27日、クラウドや高性能コンピューティング向けの効率的なハードウェア設計を目指す「Open Compute Project」(OCP)に参加を表明した。同社クラウド&エンタープライズ事業部のビル・レイン副社長が28日にカリフォルニア州サンノゼで開かれるOCPサミットの基調講演で正式発表する。
同社は加盟に当たり、「マイクロソフトクラウドサーバー仕様」をOCPに提供することも発表した。これはマイクロソフトがWindows AzureやOffice 365、Bingといった世界規模のクラウドサービス提供に使っているデータセンターの高度なサーバーハードウェアの設計仕様を指す。
この仕様は、Windows Server向けに最適化され、膨大な可用性、拡張性、効率性に対応した設計になっていると同社は説明する。従来の一般的なエンタープライズサーバーの設計に比べると、最大40%のコスト削減と15%の省電力を実現し、導入やサービスにかかる時間は50%短縮できるとしている。
OCPはFacebookの主導で設立されたプロジェクト。サーバー仕様を公開しているクラウドサービス事業者はマイクロソフトとフェイスブックのみであり、これほど深い情報をOCPに共有するのは前例がないとマイクロソフトは強調する。
マイクロソフトの子会社であるMicrosoft Open Technologies社も同日、サーバー診断や電力供給、ファンコントロールといったハードウェア管理業務用に開発したソフトウェアコードのオープンソース化を発表した。「Chassis Manager」仕様のリファレンスインプリメンテーションをGitHubで公開している。これを受けて、マイクロソフトでは「OCP内部でもオープンソースソフトウェアコミュニティの形成を支援したい」と表明した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- サービス指向DC実現のボトルネック「ネットワーク」の課題を解消するインテルの新DCアーキテクチャ
米インテルが推進する「ラックスケールアーキテクチャ」を米ラックスペース・ホスティングが導入。迅速なサービス提供が可能な「サービス指向データセンター」を具現化する。 - 脱「ブラックボックススイッチ」:Open Compute Project、オープンなスイッチ開発に向け新プロジェクト発足
Open Compute Project(OPC)は5月8日、オープンソースのネットワークスイッチの設計を目指す新プロジェクトを発足させることを発表した。 - Facebookに続く:Rackspace、Open Compute Project規格で自前のインフラ構築
オープンクラウド大手の米Rackspace Hostingは、Open Compute Project(OCP)の第4回サミットで、OCP規格を採用した独自のインフラを構築する計画を発表した。 - データセンターサービス事業者に主導権を:Open Computeプロジェクトの日本組織が設立
米フェイスブックが主導するOpen Computeプロジェクトは、サーバ機やキャビネットなど、データセンター内のあらゆるハードウェアを利用者自らが設計していこうという取り組みだ。その日本における組織が、1月17日に設立された。 - 無料クラウドでできるFacebookアプリ開発入門(4):Twitterと連携するFacebookアプリをPHPで作る
- クラウドHot Topics(3):Facebook最新データセンターの中身
フェイスブックが、同社の最新データセンターで採用しているサーバとデータセンター設備の仕様を公開した。このデータセンターは効率性と経済性が高く、PUEは1.07だという。公開された仕様書から、フェイスブックがどのような工夫をしているかを探ってみた。