ニュース
IPAの「サイバー情報共有イニシアティブ」に自動車関連業界が参加:”国の重要産業をサイバー攻撃から守る”
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、サイバー攻撃に対する情報共有の枠組み「サイバー情報共有イニシアティブ」に、自動車業界SIGが正式に参加、運用を開始したと発表した。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は2016年1月26日、サイバー攻撃に対する情報共有の枠組み「サイバー情報共有イニシアティブ(J-CSIP)」に「自動車業界SIG(Special Interest Group)」が正式に参加、運用を開始したと発表した。
SIGは、情報共有を目的に業界を軸にした組織をJ-CSIPがグループ化したもの。このうち、今回運用開始が発表された自動車業界SIGは、自動車関連企業・団体の計10組織で構成されている。2015年12月1日に新設されて以来、試験運用が行われていた。
J-CSIPは、国内の重要産業や重要インフラ関連組織の間で標的型攻撃などのサイバー攻撃の情報を共有し、対策につなげることを目的に、2011年10月に発足。今回の自動車業界SIGの参加、運用開始により、J-CSIP全体では、7つの業界(SIG)、72の参加組織(計11組織追加)の体制となった。
なお、2015年度第3四半期にJ-CSIPの参加組織からIPAに対して標的型攻撃メールなどの情報が提供された件数は723件に増加しているという。IPAではこの要因として、2015年10月以降に流行した「ばらまき型メール攻撃」が参加組織内でも観測されたことを挙げている。
IPAでは引き続きJ-CSIPへの参加業界拡充を図っていき、情報共有を通じて国内重要産業へのサイバー攻撃に対する防御力向上を推進していくとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「えっ、このメールが?」――マトモな文面のメールに攻撃が仕込まれるばらまき型攻撃に注意
まともな文面だが身に覚えのない注文や請求書――IPAがウイルス感染を目的とした巧妙なばらまき型メールに警戒するよう呼び掛けている。標的型攻撃のように、あり得そうな内容のメールを装っている点が特徴だ。心当たりがある方は対策を。 - Microsoft Officeのマクロ機能を使った「ばらまき型ウイルス」、今すぐ実践可能な対策は?【動画】
セキュリティ専門家が動画で時事ネタを語る動画連載。第2回のテーマは、「Microsoft Officeのマクロ機能を使った『ばらまき型ウイルス』」です。実在の企業をかたったメールをばらまき、添付したWord文書などからマルウエアへの感染を狙うこの攻撃。本コンテンツでは、その特徴と対策方法について語ります。 - マクロマルウェアが再び増加傾向に
マカフィーが脅威に関する最新のレポートを公開した。それによると、サイバーセキュリティ上の脅威が複合的に発生しているという。 - 「フィッシング」の手口、お見せします
セキュリティ専門家が時事ネタを語る本連載。第9回のテーマは、金融機関などをかたり金銭を窃取しようとする「フィッシング」です。今回は実際のフィッシングを模したデモもお見せします! - なぜ、「フィッシング詐欺」に気付けないの?
セキュリティ関連のキーワードについて、とことん基礎から解説する本連載。第4回のテーマは、「フィッシング詐欺」です。銀行やクレジットカード会社などを装った文面や差出人やリンクテキストの偽装により受信者を「偽サイト」へ誘導し、IDやパスワードなどの情報を盗み出そうとするこの手口。被害に遭わないために注意すべきポイントについて整理しておきましょう。