クロスクラウド対応の”PaaS 2.0”「OneOps」がOSSで公開される:米ウォルマート発、どのクラウドでも単一のオペレーションを実現
米ウォルマートが、AWS、Azure、OpenStackなどクロスクラウド対応の新しいPaaS「OneOps」を公開しました。継続的デリバリ、オートスケール、自動復旧などを実現します。
米国の小売り大手ウォルマートストアズの開発部門であるWalmartLabsが、クロスクラウド対応でアプリケーションの継続的デリバリ、実行、運用管理などを実現するソフトウェア「OneOps」をオープンソースで公開しました。
同社はこのソフトウェアをPaaS(Platform as a Service)を再定義する「PaaS 2.0」と位置付けており、クラウド上でのアプリケーションライフサイクル全体を管理するものだとしています。
OneOpsは「Perl」「PHP」「Ruby」「Java」「Go」などのさまざまな開発言語や、「Docker」「JBoss」「Node.js」「TomcatEE」「Apache Tomcat」「Apache」「Couchbase」「Redis」「MySQL」「RabbitMQ」「ActiveMQ」「Tibco」「Oracle」「PostgreSQL」など多くのミドルウェアや実行環境をサポート。
「Amazon Web Services」「Microsoft Azure」「Rackspace」「OpenStack」「CenturyLink」などのクラウドに対応し、「Maven」および「Jenkins」との統合により、どのクラウドに対しても自動化されたアプリケーションのデプロイ機能による継続的デリバリを可能にします。
OneOpsがクラウドの違いを吸収してくれるため、アプリケーションの開発者はクラウドごとにアプリケーションを設計する必要はなく、1つのアプリケーションをOneOpsでどのクラウドへも展開可能です。
開発者は、そのアプリケーションに最も適した性能や価格によってデプロイ先のクラウドを選択できますし、別のクラウドへ移行することもOneOpsで簡単に行うことができます。
デプロイされたアプリケーションはそのままOneOpsで運用されます。OneOpsは、アプリケーションのロードバランス機能、スケール機能、障害からの自動復旧、モニタリング機能などを備えており、またアプリケーションのインスタンスを新しいバージョンに自動的に入れ替える、といった機能も備えています。
WalmartLabsは、OneOpsによって開発者がクラウド上で迅速にDevOpsのサイクルを回せるようになり、それがイノベーションの促進につながるとしています。
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