EMCが「IsilonSD Edge」「Isilon CloudPools」をリリース。AWS、Azureなども「一貫性のある」管理が可能に:エッジからクラウドまで伸長するIsilon
米EMCがIsilon製品群「IsilonSD Edge」「Isilon CloudPools」をリリース。「エッジ トゥ コア トゥ クラウド(Edge-to-core-to-cloud)」で、一貫性のあるストレージ環境を提供するという。
米EMCは2016年2月2日(米国時間)、Isilon製品群「IsilonSD Edge」「Isilon CloudPools」をリリースした。両製品とも、2015年に提供を予告していたものだ。
仮想アプライアンス「IsilonSD Edge」
IsilonSD Edgeはソフトウェア定義型のストレージで、VMware ESXi上で動作するソフトウェアアプライアンスとして提供される。商用版だけでなく、無償版も用意されている。
IsilonSD Edgeでは、Isilon製品のストレージOSである「OneFS」の全ての機能を使える。アクセスプロトコルも通常のIsilon製品と同様、SMB、NFS、HDFS、Swiftなどをサポートする。
EMCは、従来型のハードウェア版Isilonをコアとして本社などで動かし、IsilonSD Edgeを遠隔地の拠点などで動作させることを想定しているという(参考:「Isilonで、仮想アプライアンス版とクラウド拡張を発表」- @IT)。
Isilonと同じ操作、同じ名前空間でクラウドストレージを扱える
CloudPoolsは、Isilonの容量を、パブリッククラウドおよび、EMCのオブジェクトストレージ「EMC Elastic Cloud Storage」あるいは別のIsilon製品に拡張するソフトウェアだ。
Isilonからは、パブリッククラウドのストレージサービスがローカルに装着された追加記憶装置のように見える。特徴的なのは、ローカルのIsilonのデータとクラウドサービス上のデータを、単一ネームスペース(名前空間)で管理できる点だ(「Isilonで、仮想アプライアンス版とクラウド拡張を発表」- @IT)
EMCでは、こうしたIsilonの製品ラインアップを、「エッジ トゥ コア トゥ クラウド(Edge-to-core-to-cloud)」と表現する。これは、遠隔の拠点(エッジ)をIsilonSD Edgeが担い、本社データセンター拠点(コア)ではハードウェア版のIsilonが担い、さらにCloudPoolsを利用することで、エッジ/コア/クラウドを単一のネームスペース(名前空間)で扱えるようになることを意味している。
EMCではこれらの発表に加え、IsilonのOSである「OneFS」のバージョン8.0も発表している。OneFSでは、FreeBSD 10系のカーネルをベースに、パフォーマンス向上を図っているという。具体的には無停止でのアップグレードや、SMB3プロトコルを使ったDR(災害復旧)やNFSv4を使ったダウンタイムなしでのフェイルオーバーなどをサポートするという。
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