CoreOS、コンテナエンジン「rkt」の正式版をリリース:Docker代替エンジンとして、標準仕様を指向
セキュリティを重視したコンテナエンジン「rkt」がバージョン1.0に。
米CoreOSは2016年2月4日(米国時間)、セキュリティや効率、コンポーザビリティを重視したオープンソースのコンテナエンジン「rkt」をバージョン1.0として公開したことを公式ブログで発表した。
rktは2014年に発表され(当時の名称は「Rocket」)、15カ月にわたる開発を経て正式版となった。コンテナ技術は急速に利用が進んでおり、現在は米Dockerの「Docker」が主流。CoreOSもDockerを積極的に推進していたが、シンプルで高セキュリティのDocker代替エンジンとしてrktの開発に乗り出した経緯がある。
rkt 1.0は「CoreOS」「Ubuntu」「Fedora」「NixOS」などのLinuxプラットフォームに対応している。CoreOSはrkt 1.0の特徴として、次の4つを掲げている。
- 安定したコマンドラインインタフェースとオンディスクフォーマット
- KVMベースのコンテナ分離、SELinuxのサポート、TPM(Trusted Platform Module)の統合、イメージ署名検証、特権分離などの高度なセキュリティ機能
- 既存のDockerイメージと標準仕様のApp Containerイメージを実行可能
- 開発者および運用担当者の強力なコミュニティーの拡大
rktはコンテナ技術の標準化を目指す
rktは「App Container (appc)」プロジェクトで開発された仕様の実装としてスタートした。2015年半ばには、コンテナイメージフォーマットおよびランタイムの標準化に向け、Dockerを含む多数のコンテナ関連ベンダーが結集して新団体「Open Container Initiative (OCI)」が発足、rktの開発元であるCoreOSもこの取り組みに参加している。
CoreOSでは「コンテナ標準の最も重要な要素は、配布しやすいイメージフォーマットであること」だと考えており、appcでは「App Container Image (ACI)」として仕様を策定している。
rkt 1.0のリリースを発表したCoreOSのブログ記事によると、OCIは、イメージフォーマットの開発、標準化を行うべきか否かをまだ決定しておらず、OCIコミュニティーでは、コンテナイメージよりも、コンテナランタイム環境の標準策定が焦点となっているという。これについてCoreOSは「コンテナイメージの標準仕様が求められており、こちらの方が業界にとって恩恵が大きい」との見方を示している。さらに、OCIとappcは関連しているが、相互排他的ではなく、「今後の協力や相互交流の余地は大きい」とも述べている。
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