VPN経由で社内Boxにアクセスできる「Box over VPN」:他のSaaSや社内システムとの連携も効率化
NTTコミュニケーションズは、クラウド上のストレージサービス「Box」を企業向けVPN上で利用できるサービスの提供をを開始した。
米ボックスとNTTコミュニケーションズは2016年3月15日、「Box over VPN」を共同で開発したと発表した。これは、オンラインストレージサービス「Box」を、NTTコミュニケーションズの企業向けVPN(Virtual Private Network)「Arcstar Universal One」上で利用できるサービスで、同日、提供を開始した。NTTコミュニケーションズによると、同社は閉域ネットワーク上でBoxを提供する日本で唯一の事業者であり、同サービスの提供はアジアで初めてだという。
Boxは「Dropbox」や「Googleドライブ」と同様のオンラインストレージサービス。Box over VPNは、他のパブリックなストレージサービスと異なり、閉域ネットワークで利用できる。インターネットを経由せずに、閉域ネットワークの中でデータをやりとりするため、情報の盗聴や漏えいのリスクを最小限に抑えられる。加えて、Box over VPNのネットワークは、NTTコミュニケーションズが常に監視する体制となっており、セキュリティポリシーなどによってクラウドサービスの利用を制限している企業でも利用できるようになっているという。
さらに、「Salesforce」のようなSaaSやオンプレミスシステムなどとも閉鎖ネットワーク内で連携させることが可能。連携させるシステムのデータは、ストレージ容量が無制限のBox側に格納できる。
例えば、IoTやビッグデータ処理のような非常に大きなデータを扱う場合でも、データ容量を気にせず運用可能だという。
主要なディレクトリサーバと連携しアクセス制御や権限管理、世代管理も可能であることから、オンプレミス環境に置くファイルサーバの代替としての利用なども想定できるという。
サービス利用料は、ストレージ容量が無制限で、50世代までのバージョン履歴管理ができる「Business」プランが、1ID当たり月額3400円(税別)。このプランでは、連携できる他のSaaSは1種類に限られる。他に、100世代までのバージョン履歴管理が可能で、連携できる他のSaaSが無制限の「Enterprise」プランも用意する。いずれも、Boxのサービスも含んだ保守受付窓口を、24時間365日の体制で提供する。なお、Arcstar Universal Oneの利用料は別途必要となる。
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