Windows 10とWindows Sysinternalsのいま:山市良のうぃんどうず日記(61)(2/2 ページ)
ITプロフェッショナルやIT管理者の方ならマイクロソフトのツール集「Windows Sysinternals」をご存じでしょう。ほとんどのツールはWindows 10でも利用できますが、中には面白いことになるツールもあります。
“混ぜるな危険”やってしまうとデスクトップは迷宮化
Windows 10には高機能な仮想デスクトップ機能が標準で備わっているため、Windows 10に対応しきれていないWindows SysinternalsのDesktopsに出番はありません。しかし、この2つを同時に使うと面白いことになります。
Windows 10標準の仮想デスクトップ機能を利用して、複数のデスクトップを作成している状態でも、Desktopsを実行することが可能です。また、その状態からDesktopsの機能を利用して追加で3つのデスクトップを作成できます。
Windows 10の仮想デスクトップは、これまで通りタスクビュー([Windows]+[TAB]キーまたはタスクバー上のアイコンのクリック)を利用して切り替えることができます。そして、どの仮想デスクトップのタスクバーからでも、通知領域のDesktopsアイコンを利用してWindows Sysinternalsのデスクトップ(Desktop 2〜4)に切り替えることができます。
ここから迷宮の始まりです。タスクバーの通知領域のDesktopsアイコンを使えば、Windows 10標準の仮想デスクトップからでも、Windows Sysinternalsのデスクトップ(Desktop 2〜4)からでも、Windows Sysinternalsのデスクトップ(Desktop 1〜4)を切り替えることができます。しかし、Windows 10の仮想デスクトップの切り替えは、Windows 10の仮想デスクトップからでなければできません。
いろいろと切り替えて操作していると、現在、どのデスクトップに自分がいるのか分からなくなってしまうでしょう(画面4)。前述したように、スタートメニューやユニバーサルアプリはWindows 10の仮想デスクトップでしか動きません。タスクビューの切り替えアイコンもまた、Windows 10の仮想デスクトップでなければ動きません。
この迷宮から抜けるには、通知領域のDesktopsアイコンをクリックして、仮想デスクトップの1つである(Desktop 1)に切り替え、そこから別の仮想デスクトップにタスクビューで切り替えます。
なお、Desktopsはセッション中に削除することはできませんが、「Run automatically at logon」オプションを有効にしていない限り、ログオフ時に全てクリアされるのでご安心ください。また、他人のWindows 10 PCにDesktopsをこっそり仕込んで、イタズラをするのはやめましょう。
「BlueScreen Saver」でレガシーを感じるひととき
イタズラといえば、Windows SysinternalsのBlueScreen Screen Saverがかつては有名でした。
- BlueScreen Screen Saver(マイクロソフト TechNet)
BlueScreen Screen Saverは、Windows XPやWindows Server 2003以前であれば、本当にリアルなBSoD画面と起動画面をスクリーンセーバーで模倣してくれます(画面5)。Windows VistaやWindows 7まではリアルさには欠けるものの(起動時のWindowsロゴが表示されない)、動作しました。
Windows 8からはSTOPエラーのBoSD画面のデザインが一新されたため、まったくリアルではなくなってしまいました。Windows 10でも、BlueScreen Screen Saverはスクリーンセーバーとして動作しました(画面6)。ただし、BSoDとWindowsの起動画面はWindows 7風になります。
なお、PCの環境によっては「SetDisplayMode FAILED: 8004001」エラーでスクリーンセーバーが動作しないこともあります。これは、恐らくディスプレイドライバの問題だと思います。
筆者紹介
山市 良(やまいち りょう)
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。
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