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Slackと違ってオンプレミス環境で作れるOSSチャット基盤4選&RocketChatの基礎知識OSSチャット基盤RocketChat入門(1)(1/2 ページ)

OSSのチャット基盤4つを紹介し、その中の1つRocketChatの概要と、ベースになったSlackの概要と、その違いについて解説する。

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 本連載では、オープンソースソフトウェア(OSS)のチャット基盤であり、Dockerコンテナとして簡単に導入できるRocketChatを使った、コミュニケーション基盤の作り方を学びます。

 RocketChatおよびそのベースとなっているSlackの紹介だけではなく、Dockerを使った環境構築の具体的な方法、外部サービス連携の応用的な使い方など、コンテナ型のコミュニケーション基盤の作り方を紹介します。

ビジネスコミュニケーション環境の変化

 業務やプロジェクトを遂行する上で、社内外で円滑なコミュニケーションを行い、作業を生産的かつ効率的に行うことは必要不可欠です。しかし近年、オフショアや在宅勤務など作業場所の多様化もあり、いかに円滑なコミュニケーションを行えるかが重要な課題となっています。そのような課題を解決し、メールに代わってリアルタイムかつ簡単なコミュニケーションを実現する手段が、チャットツールのビジネスへの応用です。

Slackとは

 本連載のメインであるRocketChatについて触れる前に、「Slack」を紹介します。

 Slackとは、クラウド型チャットサービスです。米Slack Technologiesが2013年8月に公開し、その後、目まぐるしいスピードで普及、成長しました。今では日本を含めて世界中で最も人気のあるチャットサービスの1つといっても過言ではないでしょう。

 Slackでは、チャット形式でメッセージやファイルのやりとりができ、リアルタイムなコミュニケーションが可能です。また、UIが分かりやすく直感的に操作できるため、初めての人でも使いやすいのが特徴です。ユーザーは「チャンネル」というチャットルームに自ら参加し、自由なコミュニケーションができます。なお、一部の人だけでチャットをするプライベートチャンネルや、個人宛のメッセージも可能です。


Slackの利用画面

 その他、高い検索機能や簡単なファイル共有、多彩なショートカットコマンド、外部サービスとの連携の容易さなどが、人気の要因となっています。

 Slackは現在最も注目されているチャットツールの1つですが、クラウド型サービスであるため、企業内でやりとりしたメッセージの内容やファイルなどのデータは外部のサーバに保存されることになります。企業によっては、社内情報を外部に保存することに抵抗があり、Slackおよびその他クラウド型サービスのチャットツールを使用できないケースも見られます。

RocketChatとは

 Slackのようなチャットツールの機能を備えつつ、クラウド型サービス特有の課題を解決するのが、本連載で取り上げるRocketChatです。RocketChatとは、MITライセンスで配布されているOSSのチャット基盤です。Meteorフレームワークを使用したJavaScriptで実装されており、開発コミュニティーで約200人の有志により開発されています(2016年7月時点でのGitHubのcontributor数より引用)。

 Slackに似せて作られているため(ほとんどクローン)、Slackとほぼ同様の機能を有しており、使い方も一緒です。Slackで使える幾つかの機能は使えませんが、チャットツールとしては十分な機能を備えています。また、やりとりしたメッセージの内容やファイルなどのデータは別途構築するデータベース(MongoDB)に保存されるため、社内情報を外部に格納する心配もありません。


RocketChatとSlackの画面の対応図

 そして、Dockerのコンテナとして提供されているため、公開されているコンテナイメージを取得し起動すれば、Docker環境上に簡単にRocketChatを構築できます。

 本連載では第2回以降、このDockerを使った環境構築の具体的な方法について詳しく解説していきます。

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