もし職人肌アラフォーエンジニアが「管理職にならないか」と打診されたら:仕事が「つまんない」ままでいいの?(20)(1/3 ページ)
本当にやりたかった仕事はこれなのか――アラフォー世代にとって、管理職への打診はキャリアの迷いの始まりです。仕事の不満や悩みを解消するヒントをお届けする本連載。今回のテーマは「アラフォー世代のキャリアチェンジ」です。
先日、アラフォーのITエンジニアNさんが、こんな話をしてくれました。
「ソフトウェア開発のエンジニアになって10数年。これまで、いろいろな経験をしてきました。大変なこともたくさんありましたが、なんだかんだいっても開発の仕事が好きで、楽しくやってきました。けれども、先日上司から『キミもそろそろ管理職になってくれないか』と打診されました。ずっと現場で仕事をしたかっただけに、管理職になると思うと、『今まで、何のために働いてきたんだろう』と、モヤモヤしてしまうんです」
Nさんのこの気持ち、エンジニアなら、いや、エンジニアに限らず、いわゆる「専門職」や「現場の仕事が好きな人」なら「分かるー!」と思われるのではないでしょうか。
「四十にして惑わず」は、孔子が晩年に言った有名な言葉ですが、現代のアラフォーは、迷いがなくなるどころか、迷いが始まる年代ですよね。
今回の「仕事が『つまんない』ままでいいの?」は、アラフォー世代の仕事とキャリアを考えます。「ずっと現場で仕事をしたい」という理想と、「そろそろキミも……」と管理職へのキャリアチェンジが求められる現実。どのようにしたら、このギャップが埋められるでしょうか。
職人肌のエンジニアほど迷う「管理職へのキャリアチェンジ」
職人肌の人ほど管理職へのキャリアチェンジに抵抗感を抱くようです。なぜなら、「その道を極めたい!」と切に願っているので、意識が他のキャリアに向きづらいのです。
Nさんと同じく、ソフトウェア開発のエンジニアだった筆者もそうでした。ずっと最新のIT技術を追い求めていたかったし、美しいコードを書いていたかった。管理職へのキャリアチェンジをかたくなに拒んでいました。
また、当時の筆者には、管理職は煩わしい仕事に見えました。お金や人の管理、わがままばかりで言うことを聞かない部下との関わり、無理難題を言ってくる顧客との交渉ごとなど、とにかく「面倒くさそう」だったのです。
このように感じている人、多いのでは?
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