孤独なままでいいの?――「誰も分かってくれない」と中間管理職が思ったら:仕事が「つまんない」ままでいいの?(6)(1/2 ページ)
上司と部下の間に挟まれている中間管理職。「誰も分かってくれない」と、孤独を感じていませんか。仕事の不満や悩みを解消するヒントをお届けする本連載。今回のテーマは中間管理職の「孤独感」です。
上司と部下の間に挟まれて働いている人たち。それが、中間管理職です。
「上からは仕事を振られ、下は好き勝手言ってくる」「本当は言いたいこともあるけれど、ぐっとこらえることが多い」「結局、自分が動くしかない」……その結果、一人で悩みを抱えることが多いのが、中間管理職の特徴です。
筆者にも「誰も分かってくれない」と悩んでいた中間管理職時代がありました。周りに「味方がいない」のですよね。上司と部下の間で感じる「孤独感」といったらありませんでした。
仕事の不満や悩みを解消するヒントをお届けする本連載。今回は、「誰も分かってくれない」と孤独に耐えて頑張っている中間管理職の「孤独解消法」をお話します。
なぜ「誰も分かってくれない」のか?
そもそも、なぜ中間管理職のことを「誰も分かってくれない」のでしょうか。その答えは簡単。周りの人と「層が違う」からです。
若手層が興味あるのは、技術力や仕事に直接関わるスキルなどの実務的な話、部長などの上司層が興味あるのは、売り上げや利益などの経営的な話。一方、中間管理職層の役割は、人やお金のマネジメントをすることです。層が変わると興味の対象や仕事内容が変わるため話が合わない。そのため「誰も分かってくれない」となるのです。
それはまるで、小学生、中学生、高校生で興味の対象が異なる感じと似ています。小学生はアニメの話、中学生は部活や恋愛の話、高校生は将来や仕事の話、といったように。層が変われば、興味を持つ対象も変わるのです。
「誰も分かってくれない」を解消するためには
中間管理職が感じる「誰も分かってくれない」を解消するためには、次のようなアプローチがあります。
「同じ層の人」と関わる
「同じ層の人」がいるコミュニティを探し、参加しましょう。
社内で同じ役職の人がいれば、「ちょっと話があるんですけど、いいですか?」と、こちらから話を持ち掛けてみるといいでしょう。飲みに誘ってみるのもいいかもしれません。中間管理職が抱えている悩みは大概同じなので、「自分だけじゃないんだ」と分かれば、気持ちが楽になります。
社外の似たような年齢層が集まる勉強会に参加してみるのもいい方法です。その中でもおすすめなのがコミュニケーション講座です。なぜなら、コミュニケーション講座はトレーニングのために、相手の話を聞いたり、自分の話をしたりするからです。
例えば、筆者が中間管理職時代に参加したコミュニケーション講座では、話を聞くスキルや、相手を望ましい姿にリードする方法を学びました。話を聞くトレーニングでは、参加者同士で目標や悩みを話す機会が多く、年齢や役職が近い人が多かったため、「みんな同じことで悩んでいるんだな」と分かり、安心できました。また、じっくり話を聞いてもらうのは、職場ではなかなかできない体験でした。「第三者だから本音が話せた」というのもあります。
また、身に付けたコミュニケーションスキルは、上司と部下との関係改善に役立ちました。
「自己対話力」を高める
周囲に相応の人がいなければ、自分と対話する「自己対話力」を高めるのもいい方法です。難しいことではありません。思っていること、感じていること、悩んでいることなど、あるがままの気持ちをノートに書き出すのです。
ノートに書き出すと自分の考えを目で見ることになります。また、多くの人は書いた内容を目で追いながら音読しているので、耳で聞くことにもなります。自分の考えに五感で触れることによって、頭でぼんやりと考えているよりも客観的に整理できます。
筆者も、頭の中にふと浮かんだ言葉や感情、悩み、不安、愚痴、理想、希望、やりたいことなど、思ったり感じたりしていることを毎日ノートに2〜3ページほど書き出しています。一人で抱え込むことなく愚痴をこぼし、心の奥底にある不安を吐き出し、想像の翼を広げる自由を自分に許すことで、頭や感情の整理に役立っている他、問題を解決するためのアイデアが浮かぶことも多いです。
誰に見せるわけでもないので、体裁など一切気にせず、あるがままに本心を書き出すのがポイントです。書き出した内容を見ながら、「これってどういうことだろう?」とあらためて自分に問い掛けたり、突っ込んで考えたりしてもいいでしょう。
PCやタブレットなどのデジタルデバイスも便利ですが、手書きは思ったことをサラサラっと書けるため、おすすめです。
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