ニュース
EMC、標的型サイバー攻撃対策の統合ツール「RSA NetWitness Suite」を投入:マルウェアの侵入や不正活動を相関的に判断
EMCジャパンが、標的型サイバー攻撃の統合対策ツール「RSA NetWitness Suite」の提供を開始した。サイバー攻撃の早期検知や分析、インシデント管理などの各種セキュリティ対策ツールを用意する。
EMCジャパンは2016年8月30日、標的型サイバー攻撃の対策ツールをまとめた「RSA NetWitness Suite」の提供を開始した。企業内のセキュリティ対策チームに向けた製品として展開し、マルウェアの侵入、サイバー攻撃の早期検知と分析、インシデント管理の各ツールを提供する。
標的型サイバー攻撃は、複数の活動ステップを経て機密情報や金銭の奪取を画策する。例えば、企業システムに存在する何らかのセキュリティホールからマルウェアを侵入させ、ネットワーク内で不正プログラムを実行。目的の情報を検索し、データを入手したら外部へ送信するといった流れだ。巧妙に発覚を避けながらこうした行動をとる高度化したサイバー攻撃に立ち向かうには、システムを逐次監視して情報の持ち出しや不正工作を検出し、機密情報の流出を防ぐための早期対応が必要となる。
RSA NetWitness Suiteは、エンドポイントで得た情報、各種ログ、ネットワークの全てパケットから収集した情報を分析エンジンに集約して、「攻撃者の目的」や「目的にたどり着くまでの手法」を検知。収集した各情報を横断し、各ツールで相関的に判断することで、攻撃の予兆を捉えるという。
RSA NetWitness Suiteは、以下の4つのツールで構成される。各ツールは単品での販売も行う。
- RSA NetWitness Endpoint:これまで展開していた「RSA ECAT」の後継として、組織内の各クライアント(エンドポイント)で実行しているソフトウェアの内部状態を常時モニターする、エンドポイントフォレンジックツール。マルウェアの活動を検知すると感染源や感染範囲を特定し、収集した脅威情報を「RSA NetWitness」と連携して分析を行う。価格は、クライアント50台までの年間ラインセンスで、65万9400円(税別、以下同)から。
- RSA NetWitness Packets/RSA NetWitness Logs:それぞれ「RSA Security Analytics for Packet」と「RSA Security Analytics for Log」の後継製品となる。ネットワークパケットや各種ログを収集し、リアルタイムに分析することで、サイバー攻撃の早期検知や脅威の可視化、駆除対応などを行う。価格は、RSA NetWitness Packetsが収集パケット量1TB/日までの年間ライセンスで450万500円から。RSA NetWitness Logsは、収集ログ50GB/日までの年間ライセンスで450万500円から。
- RSA NetWitness SecOps Manager:「RSA Archer Security Operation Management」の後継製品として、RSA NetWitnessで検出されたアラートを集中管理するツール。インシデント対応のワークフローを自動化し、効率的な自社SOC(セキュリティオペレーションセンター)の運営を支援する。価格は、従業員100人までの年間ライセンスで33万4000円から。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- RSA Conference 2016に見る「可視化」「検出」「対応」を支援する製品たち
RSA Conference 2016の会場では、侵害は起こり得るものだという前提に立ち、システム内部に入り込んだ脅威をいち早く見つけ出し、速やかに対処することで、被害を最小限に抑えることを目指した製品が多数紹介された。 - 経営層とセキュリティ担当者の「ギャップを埋める」のはビジネス駆動型セキュリティ
RSAがシンガポールでセキュリティ担当者向けのイベントを開催。RSA プレジデントのアミット・ヨラン氏が、「ビジネス駆動型セキュリティ(Business-Driven Security)」という新しい視点を持つことの重要性を説いた。 - 攻撃関連の問題は一切なし? 分析にフォーカスしたセキュリティ競技会をRSAが実施
EMCジャパン RSA事業本部は2015年9月29日に、「RSA Security Analytics/ECAT ワークショップ」を開催した。Capture The Flag(CTF)と呼ばれるセキュリティ競技会の一つだが、攻撃や脆弱性に関する問題ではなく、セキュリティインシデントの分析、調査に特化していることが特徴だ。 - EMCジャパン、クラウドとオンプレミスの認証を一元化する「RSA Via Access」
EMCジャパンは、クラウドとオンプレミスのアプリケーションへのログイン認証を一元化するクラウド型のシングルサインオン(SSO)サービスを開始した。Apple Watchを近づけて認証する機能もサポートする。