DRBD+iSCSIでサクッと作れる、Windows 10の「自動データ複製&冗長化システム」:DRBDの仕組みを学ぶ(11)(3/5 ページ)
DRBDを軸に、データを遠隔地にも即時複製して万が一の事態に備える「冗長化/高可用性システム」の構築テクニックを紹介する本連載。今回は、Windows 10/Windows Server環境の「自動データ複製&冗長化システムの作り方」を解説します。
続いて「iscsi」というグループを作り、DRBD以外の各リソースをそのグループに所属させます。
# pcs resource group add iscsi portbk res_ip iscsi-target lun portunbk
グループは左側から実行されます。上記の設定では、
- ポートブロックを実行
- 仮想IPアドレス(VIP)を起動
- iSCSIターゲットを起動
- iSCSIターゲットとして公開するディスクを起動
- ポートブロックを解除する
の順にリソースが動作します。
「共存関係」を設定するために、「colocation」の設定も行います。
# pcs constraint colocation add iscsi ms_drbd_r0 INFINITY with-rsc-role=Master
「ms_drbd_r0」(DRBD)がプライマリー(Master)となっているサーバで、「iscsi」グループを実行するという関係性を定義します。iscsiグループとは、先ほど登録したグループのリソース群のことです。
「order」も以下のように設定します。orderは、上記colocationと連動した設定項目です。
# pcs constraint order promote ms_drbd_r0 then start iscsi
「colocation」と「order」で設定したことを簡単にまとめます。colocationでDRBDのプライマリーとiscsiグループを同じサーバで起動する「共存関係」を定義し、orderでDRBDが起動してからiscsiグループを起動する起動順を定義しました。よって、colocationとorderはセットで設定する必要があります。どちらかの設定を忘れないように注意してください。
クラスタ起動時に優先的にプライマリーになるサーバを指定します。
# pcs constraint location iscsi prefers iscsi-ha1=100
リソースの状態をクリアします。
# pcs resource cleanup iscsi
以上で設定作業は終了です。最後に一号機でクラスタを再起動します。クラスタの再起動には少し時間がかかります(ただし、5分以上経過しても再起動されない場合は、サーバを強制的に再起動してください)。
# pcs cluster stop --all # pcs cluster start --all
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