DRBD+iSCSIでサクッと作れる、Windows 10の「自動データ複製&冗長化システム」:DRBDの仕組みを学ぶ(11)(4/5 ページ)
DRBDを軸に、データを遠隔地にも即時複製して万が一の事態に備える「冗長化/高可用性システム」の構築テクニックを紹介する本連載。今回は、Windows 10/Windows Server環境の「自動データ複製&冗長化システムの作り方」を解説します。
(6)Windows環境の設定を行う
次にWindows環境でiSCSIイニシエーターの設定をしていきます。今回は、Windows 10とWindows Server 2012での設定例を解説します。
(6-1)Windows 10からLinuxサーバへiSCSIで接続する
Windows 10で「iSCSIイニシエーター」を起動します。iSCSIイニシエーターは、「スタートメニュー」→「すべてのアプリ」→「Windows管理ツール」より起動できます。
iSCSIイニシエーターの「探索」タブより、ターゲットポータルを追加します。
「ターゲット」タブを選択し、iSCSIターゲットのIQN「iqn.2016-04.3ware.co.jp:windows-disk」が存在することを確認して、「接続」をクリックします。状態が「接続完了」になれば、作業は完了です。
(6-2)Windows Server 2012からLinuxサーバへiSCSIで接続する
Windows Server 2012で「iSCSIイニシエーター」を起動します。iSCSIイニシエーターは、サーバーマネージャーの「ツール」より起動できます。
あとは前述したWindows 10の接続方法と同じです。iSCSIターゲットを探し、「接続完了」まで進めてください。
(7)ディスクフォーマットを行う
Windows環境からLinux機へiSCSI接続は完了しましたが、まだディスクが使える状態にはなっていません。ディスクをフォーマットして使えるようにします。
(7-1)Windows 10の作業手順
Windows 10で「ディスクの管理」を起動します。ディスクの管理は「スタートメニュー」→「すべてのアプリ」→「Windows管理ツール」→「コンピュータの管理」より起動できます。
「ディスクの初期化」がポップアップされます。パーティションスタイルは「GPT(GUIDパーティションテーブル)」を選びます。
続いて、未割り当てとなっている「ディスク1」上で右クリック→「新しいシンプルボリューム」を選択します。
「新しいシンプルボリュームウィザード」で、NTFSフォーマットのボリュームを作成します。作業はデフォルト設定のまま進めて構いません。
作成したボリュームは、内蔵ストレージや外付けHDDのようにマウントされます。その実体は、iSCSI接続したLinuxサーバ側にあります。
(7-2)Windows Server 2012の作業手順
Windows Server 2012の「サーバーマネージャー」を起動し、「コンピュータの管理」を選択します。
「ディスクの管理」を表示し、未割り当てのディスクを「オンライン」→「初期化」を行います。
パーティションスタイルは「GPT」とし、「新しいシンプルボリューム」を作成します。
あとは、Windows 10の場合と同じ手順です。「新しいシンプルボリュームウィザード」が開くので、NTFSフォーマットのボリュームを作成します。
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