HPE、非中核ソフトウェア事業をスピンオフ マイクロフォーカスと統合新会社設立へ:併せて、SUSEとの提携も発表
ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)は、非中核ソフトウェア事業をスピンオフすると発表。英マイクロフォーカスと統合させる。
米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)は2016年9月7日(米国時間)、同社の非中核ソフトウェア事業を分離独立し、英マイクロフォーカスと統合する計画を発表した。HPEは25億ドル(約2550億円)の現金を受け取り、HPEは統合後の新会社の株式50.1%を保有する。新会社設立はHPEの2017会計年度(2017年10月末締め)後半に完了する見込み。
新会社はマイクロフォーカス(Micro Focus)の社名で継続し、世界最大級のエンタープライズソフトウェア専業企業となる見通し。年間売上高は約45億ドル(約4600億円)規模となる。
分離されるHPEのソフトウェア事業には、中核でないと判断されたアプリケーションデリバリー管理、ビッグデータ、エンタープライズセキュリティ、情報管理/ガバナンス、ITオペレーション管理などが含まれる。一方、マイクロフォーカスはこれまで、企業ITシステムの開発、運用、セキュリティ確保のための幅広いソフトウェアを手掛け、企業のイノベーション加速とリスク低減を支援してきたソフトウェアベンダーである。
統合後の新会社は、グローバルな事業体制、アジリティ(俊敏性)、財務力を生かし、包括的な製品ライン全体にわたってソフトウェアの変革を推進していくという。新会社はマイクロフォーカスのエグゼクティブチェアマンであるケビン・ルースモア氏が指揮を執り、マイク・フィリップス氏が最高財務責任者(CFO)となる。
HPEの社長兼CEOを務めるメグ・ホイットマン氏は、「HPEは今回発表した取引により、『顧客と将来のために適切な体制を整え、成長率と利益率が高く、フリーキャッシュフローが多い企業を構築する』というビジョンの実現に向けて、さらなる重要なステップを踏み出す」と声明で述べている。
HPEは今回の事業再編により、「次世代の安全なソフトウェア定義型インフラを基盤とする、業界をリードするハイブリッドITプロバイダーになる」という構想の実現が可能になるとしている。このインフラは、「顧客の現在のデータセンターを稼働させ、それらを将来のマルチクラウド環境へと橋渡しし、今後数十年にわたってキャンパス、ブランチ、IoTアプリケーションの実行を支える最新インテリジェント技術の基盤になる」と説明している。なおHPEは、2016年5月に法人サービス事業を分離し、ITサービス大手のComputer Sciences Corporation(CSC)と統合する計画も発表している。
HPEとマイクロフォーカスは今回の取引と併せて、SUSEとの提携も発表した。SUSEはHPEの優先Linuxパートナーとなる他、HPEのHelion OpenStackおよびStackatoソリューションとSUSEのOpenStackに関する専門ノウハウを組み合わせ、HPEの顧客向けにクラス最高のエンタープライズグレードハイブリッドクラウドソリューションを提供していくという。
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