自然体のセキュリティ女子3人が語る「就活に王道なし」:まだ君は間に合う! 現役エンジニアに聞く、学生のときにやっておくべきこと(12)(2/3 ページ)
大企業で活躍しているエンジニアは、学生時代から意識高く技術の研さんを積み、インターンでいろいろな経験をしてきた人ばかり……とも限らないようだ。仕事を、人生を楽しむセキュリティ女子の学生時代や就活の思い出とは?
1年かけて取り組んだプロジェクトで自信を培う
専修大学情報ネットワーク学部を卒業後、2008年に入社した森さんは、ITへの関心はもともと高かった。「家族が新しい物好きで、自宅にもWindows 95のPCがあってパソコン通信などもしていました。大学も、『入学したら自作PCをそのままもらえる』と聞いたことが決め手で選びました」という。
特にサークルなどにも所属していなかった森さん。授業と休日のアルバイトでスケジュールが詰まっていたためか、若さ故か、時間があれば「寝ていた」とのことだが、「3年時に1年かけてやり通したプロジェクトが自信になりました。8〜9人のグループで『起業ゲームを作ろう』というテーマで議論し、経営シミュレーションゲームを企画して作成するというもので、この経験を通して、今の仕事に必要なコミュニケーション能力や調整力が身に付いたと思います」という。
森さんは就職時からセキュリティ関連の業務に関心を抱いていた。「システムエンジニアになりたかった、というよりは、当時はやっていた非接触型ICカード関連の仕事をしたいと思っていました。ICチップの仕組みはどうなっているのか、どのように管理されるのかに興味があったのです。そこで、統合IDや認証基盤、ICカードといった業務をやっているNECソリューションイノベータを選びました」
就職活動を進める中で、SPI試験やいわゆる「社会マナー」にも気を付けたというが、「就職時の面接では、3年時のプロジェクトのことをアピールしました」という森さん。晴れて入社し、希望通り認証基盤の構築や設計に関する業務で5年ほど経験を積んだ。
「ごりごりのプログラマーではありませんが、お客さまと調整しながらシステム基盤を構築するという仕事が本当に楽しくて、性に合っていました」と振り返る。今は平野さん同様、サイバーセキュリティグループでCSIRT訓練業務などに携わっている。
コミュ障だとばかり思い込んでいた自分、実は?
元林さんのキャリアは、平野さんや森さんとはちょっと異なる。「地元が好き」という元林さんは石川県出身。地元の工業高校の情報科を卒業した後、金沢工業大学に進学した。
理系が得意だったというわけではないが、「モノの仕組み、動く仕掛けに興味があった」という元林さん。入学後は「情報工学に必要な数学も含め、今までの人生の中で1番頑張って勉強しました。割とまじめに学校にいって、ちゃんと勉強していたと思います」と言う。
その後、当時は別会社だった北陸日本電気ソフトウェア(現在はNECソリューションイノベータ 北陸支社)に「地元で、情報関連の仕事ができるところだから」という理由で就職した元林さん。しかしその後、東京で行われるプロジェクトでリスク分析や脅威分析といった業務に携わることになり、ホテル住まいが続くことになった。「生活基盤を整えたくて、東京への異動願いを出して今に至ります」という。
現在元林さんが関わるプロジェクトは、他社からも多くの技術者が参加して進められている大規模なものだ。そのチームに加わって仕事を進める中で、自分の思い込みとは異なる「適性」に気付いたという。
「入社以来ずっとプログラミング業務に携わってきて、自分はプログラミングが得意で、人と接するのは苦手だとばかり思い込んでいました。けれど今のプロジェクトに関わり、全く違う会社の人も含めいろいろな人と話してみると、『意外と自分は話ができるじゃないか』ってことに最近になって気付きました(笑)」という元林さん。
社内のスポーツ大会のような催し物にも、昔は抵抗感があったそうだが、「今となってはそのこだわりは何だったんだろうと思います。いろんな人と会ってコミュニケーションを取るのが楽しいですね」という。
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