シスコがクラウド管理のネットワーク製品「Cisco Meraki」で新機能、日本展開強化:セキュリティカメラを国内投入
シスコシステムズは、クラウド管理型の小規模拠点用ネットワーク製品「Cisco Meraki」の新機能と日本市場での展開強化を、2016年11月18日に説明した。運用ダッシュボードは日本語化、また監視カメラのオプションを国内で追加提供する。
シスコシステムズは、クラウド管理型の小規模拠点用ネットワーク製品「Cisco Meraki」の新機能と日本市場での展開強化を、2016年11月18日に説明した。Webベースの運用ダッシュボードは日本語化、また監視カメラのオプションを国内で追加提供する。
Merakiはクラウドポータルで一括運用できる小規模遠隔拠点向けの無線LANアクセスポイント/ルータ/有線スイッチを提供するスタートアップ企業が発祥。コーヒーショップチェーンなど、顧客向けに無線LANを提供する多数の拠点を持つ企業をはじめとして、広く小規模拠点のネットワークを容易に運用できるソリューションとして展開されてきた。
シスコは2012年12月にMerakiを買収。Meraki時代から在籍し、現在は米シスコ メラキのジェネラルマネージャーを務めるトッド・ナイチンゲール(Todd Nightingale)氏によると、買収後はクラウド管理型で小規模拠点向けの統合的なITソリューションを提供する方向に進み、セキュリティ、モバイルデバイス管理(MDM)、ユニファイドコミュニケーションズ(UC)/IP電話(日本では未展開)、監視カメラと、機能を強化してきたという。
今回国内展開を発表したのは監視カメラの「Meraki MV」。屋外に設置できるモデルもある。他の機能と同様、IT担当者はクラウドダッシュボードで容易に設定でき、監視もここから行える。映像はカメラ自体に保存される(約20日分)ため、別途録画機器を導入する必要はない。
興味深いのはインデックス機能。IT担当者はポータルの「ビデオウォール」から映像を見られる。映像の一部分を範囲指定すると、その範囲で動きが見られた時点の映像が、過去にさかのぼって即座に検索、リスト化される。
一方、Merakiの無線LANアクセスポイントには、ユーザーをFacebookアカウントで認証できる機能がある。また、端末の位置情報を記録して視覚化することで、店舗の販売促進につなげられる機能もある。
Merakiのダッシュボードは今回、細部にわたって英語を排除した。これは日本での製品展開における最大の課題となってきたという。
Merakiは、過去1年間で、国内での売り上げが400%増えたという。シスコでは、営業およびサポートの人員を強化。一方で販売チャネルを拡大し、特に業種別のソリューション提供に力を入れていくという。
特に注力しているのは、「ホテル、レストラン、観光」「小売り、多店舗企業」「文教」の各分野。例えば同製品を導入している玉川聖学院では、生徒のスマートデバイス持ち込みを一律に禁止するのでなく、逆にこれを許し、MDMとネット接続先制限で管理しているという。
なお、小規模企業などに向けた製品群として、シスコはCisco Startも提供している。Merakiはクラウドでの運用を望む顧客、そして上記のように、さまざまな機能を日常的に使い、自らITを活用していきたいケースに向けられている。
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