「DATABASE_MIRRORING」によってトランザクションログを再利用できなくなった(ファイル管理トラブル):SQL Serverトラブルシューティング(28)(1/2 ページ)
本連載は、「Microsoft SQL Server」で発生するトラブルを「どんな方法で」「どのように」解決していくか、正しい対処のためのノウハウを紹介します。今回は「DATABASE_MIRRORINGに由来したトランザクションログ関連トラブルの対処方法」を解説します。
本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で発生するトラブルについて、「なぜ起こったか」の理由とともに具体的な対処方法を紹介していきます。
トラブル 21(カテゴリー:ファイル管理):「DATABASE_MIRRORING」によってトランザクションログを再利用できなくなった
「Windows Server 2012 R2」上に「SQL Server 2016 RTM」をインストールした環境を想定して解説します。
トラブルの実例:データベースミラーリング(*1)を構築している環境で、ミラーリングサーバにハードウェア障害が発生した。
初期調査の結果、プリンシパルサーバのトランザクションログが肥大化していることも判明した。sys.databasesからトランザクションログが再利用されない原因を確認したところ、log_reuse_waitの値は「5」で、log_reuse_wait_descの値は「DATABASE_MIRRORING」と表示された(図21-1)。
トラブルの原因を探る
データベースミラーリングとは、前回解説した可用性グループと同様に、SQL Serverの可用性を高めるための機能の1つです。本機能は、SQL Server 2005から実装されています。トランザクションログレコードを配信する機能によって、複製(ミラーリング)されたスタンバイサーバ環境を準備できます。
Log_reuse_wait_descの「DATABASE_MIRRORING」ステータスは、ミラーリングが構築された環境で、トランザクションログレコードの配信が完了していない状態を示します。さらに、「SQL Server Management Studio」から「データベースミラーリングモニター」を起動して状況を確認したところ、ミラーリングはやはり「切断」されていました(図21-2)。
データベースミラーリングも、トラブル 20で取り上げた可用性グループと同じく、「トランザクションログバックアップ」と「データベースミラーリングとしてデータが同期される」の条件がそろわなければ、ログの再利用ができません。トラブル 20と同じく、「トランザクションログを切り捨てない状態」が続いたことが、今回、トランザクションログが肥大化した原因です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「SQL Server 2016」に搭載される新たなセキュリティ対策を追う
パブリックプレビューが公開されているマイクロソフトのRDB次期版「SQL Server 2016」。特徴の1つとするセキュリティ対策機能のポイントと目指すところをキーパーソンに聞いた。 - そもそも、リレーショナルデータベースとは何か?
データベースを基礎から勉強し理解を深めていくことは簡単なことではありません。本連載では、データベースに対するハードルを少しでも低くするために、初心者の方に必要なデータベースの基本から、障害対策やチューニングといった実践に即した内容までを幅広く解説していきます。今回は、データベースの役割と、それを管理するソフトウェアであるDBMSの基本機能について解説します。【更新】 - データの登録を行うINSERT文
- 複数の条件を指定してSELECT文を実行する
前回は、SELECT文の初歩の初歩を解説しました。今回は、複数の条件を指定して、目的のデータを取り出す方法を解説します(編集部) - Oracle運用の基本「ログ」を理解しよう
本連載では、Oracle Database運用の鍵となるトラブル対処法について紹介していきます。第1回、第2回では情報収集の要となるログについて見ていきます。ログの出力情報は10gと11gとでは大きく異なる点がありますので、それぞれについても確認しておきましょう。