SQL Serverの可用性グループがフェイルオーバーしたが、発生した原因が分からない(フェイルオーバートラブル):SQL Serverトラブルシューティング(33)(2/2 ページ)
本連載は、「Microsoft SQL Server」で発生するトラブルを「どんな方法で」「どのように」解決していくか、正しい対処のためのノウハウを紹介します。今回は「可用性グループでフェイルオーバーが発生した原因の一例」を解説します。
解決方法
では、トラブルの要因となったダンプはなぜ発生したのでしょう。この解決が根本対策となります。ダンプファイルはさまざまな要因によって出力されますが、今回の事例ではWindowsイベントビューアーをあらためて確認すると、「KB3172973」(*5)の不具合に由来するアサーションエラーが発生していたことが分かりました(図26-2)。
このアサーションエラーの発生は不具合として認識されていますので、アプリケーションを元に戻す、もしくはSQL Server 2016 CU1以降を適用することで回避できます。自社システム固有の設定ミスなどに由来するものではないことから、この対策後にフェイルバックを行っても問題はないでしょう。また、これを機に、併せてフェイルオーバーポリシーの設定を念のため確認し、必要に応じて見直すこともお勧めします。
「SQL Serverの可用性グループがフェイルオーバーしたが、発生した原因が分からない」の場合の対策手順
- エラーログやSQLDIAGの拡張イベントを確認し、自動フェイルオーバーとなった理由を確認する
- (本例の場合は)不具合「KB3172973」に由来するものであったため、SQL Server 2016 CU1以降を適用する
- 必要に応じて、フェイルオーバーポリシーの設定を変更する
筆者紹介
内ヶ島 暢之(うちがしま のぶゆき)
ユニアデックス株式会社 NUL System Services Corporation所属。Microsoft MVP Data Platform(2011〜)。OracleやSQL Serverなど商用データベースの重大障害や大型案件の設計構築、プリセールス、社内外の教育、新技術評価を担当。2016年IoTビジネス開発の担当を経て、2016年現在は米国シリコンバレーにて駐在員として活動中。目標は生きて日本に帰ること。
椎名 武史(しいな たけし)
ユニアデックス株式会社所属。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。
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