Azure ADドメインサービスの提供リージョンが拡大、東西日本も対応:Microsoft Azure最新機能フォローアップ(28)
「Azure ADドメインサービス」は、2016年10月から一般提供が始まったクラウドベースのID管理サービスです。これまで、このサービスを提供するリージョンはごく一部に限られていましたが、東西日本を含む10のリージョンからの一般提供が始まりました。
リージョンの拡大でAzure ADの導入が容易に
「Azure ADドメインサービス」は、Azure Active Directory(Azure AD)のオプション機能であり、Azure ADと同期されたほぼフル機能のActive Directory環境を簡単に導入し、メンテナンスフリーで利用できるマネージドサービスです。2016年10月に一般提供が始まりました。
一般提供開始当初、Azure ADドメインサービスを提供するリージョンは少数に限定されていましたが、2017年2月より、東日本/西日本リージョンを含む10リージョンが追加されました(画面1)。
- Azure AD Domain Services is available in new regions[英語](Microsoft Azure)
今回、新たに追加されたのは以下の「(新)」で示した10リージョンです。2017年2月現在、21のリージョンでAzure ADドメインサービスを利用できます。
- 米国東部
- 米国東部2
- 米国中部
- 米国中北部(新)
- 米国中南部
- 米国中西部(新)
- 米国西部
- カナダ東部(新)
- カナダ中部(新)
- ブラジル南部(新)
- 北ヨーロッパ
- 南ヨーロッパ
- 東南アジア
- 東アジア
- オーストラリア東部
- オーストラリア中南部
- インド中部(新)
- インド西部(新)
- インド南部(新)
- 東日本(新)
- 西日本(新)
構成は「Azureクラシックポータル」から
Azure ADドメインサービスは、クラシックデプロイモデルのAzure仮想ネットワークに接続され、Azure仮想マシンにActive Directoryドメイン環境を提供します。そのため、日本からの利用はこれまで、国外のリージョンに導入する必要がありました。仮想ネットワーク間の相互接続により、日本のリージョンに配置されたAzure仮想マシンをサポートすることはできましたが、IDは国外に保存され、管理されるという状況でした。
今回、日本のリージョンでも利用可能になったことで、完全に日本国内だけで、Azure ADドメインサービスとAzure仮想マシンを実行するIaaS(Infrastructure as a Service)環境を準備できるようになります(画面2)。
なお、引き続き、Azure ADドメインサービスの構成は「Azureクラシックポータル」から行う必要があります。また、「Azureリソースマネージャー」のIaaS環境とは、VNETピアリングによる仮想ネットワーク間の接続でサポートされます。
筆者紹介
山市 良(やまいち りょう)
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。
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