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NEC、SDNでWAN運用代行サービスを強化、低価格ソリューションも発表顧客層の拡大を狙う

NECは2017年2月9日、同社のSDN(Software Defined Networking)ソリューションで、新たな製品・サービスを2017年3月より順次提供開始すると発表した。運用を外部に委託したい組織、および中堅・中小企業への同社SDNソリューションの普及を目指している。

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 NECは2017年2月9日、同社のSDN(Software Defined Networking)ソリューションで、新たな製品・サービスを2017年3月より順次提供開始すると発表した。運用を外部に委託したい組織、および中堅・中小企業への同社SDNソリューションの普及を目指している。

SDNコントローラの機能をサービスとして提供

 まず、SDNの運用を代行するサービスを提供する。これは、NECグループが従来から提供してきた「マネージドWANサービス」というWAN運用代行サービスを拡充するもの。3月より提供開始するのはWANにおけるSDNの運用代行機能。

 では、NECの「WANにおけるSDN」とは何か。同社ではOpenFlowコントローラで、ネットワーク機器を制御するSDNソリューションを展開している。対象となるのは主にLANスイッチだが、同社のWANルータであるIXシリーズもSDN対応(OpenFlow対応)している。

 IXシリーズのSDN対応では、トラフィックフローにおけるLAN側のIPアドレスおよびポート番号に応じて、複数のWAN回線間でトラフィックを振り分けることができる。事実上アプリケーションおよび端末/サーバに応じて、どのWAN回線を使うかを指定できる。

 NECスマートネットワーク事業部長の北風二郎氏によると、顧客企業では、WANで専用線/企業向けVPNサービスを用い、バックアップとしてブロードバンド回線をIPsecトンネリングで使っているケースが多い。だがブロードバンド回線を平常時に全く利用しないのではもったいない。そこでSDNコントローラ上の設定により、アプリケーションなどに応じて平常時に一部のトラフィックをブロードバンド回線に流すことができる。

 「マネージドWANサービス」で提供開始されるWANにおけるSDNの運用代行機能では、上記の設定や設定変更などをNECが代行する。その後、アドオン機能として、トラフィック可視化とネットワーク分析をSaaSとして提供する。これにより、事実上、SDNコントローラ機能を全てサービスとして提供することになり、顧客はWANのSDN運用に関してSDNコントローラを購入する必要がなくなる。

 2017年度後半には、LANにおけるSDNについても、運用代行およびSDNコントローラのSaaS提供を実現するという。こうなれば、顧客は自社拠点にNECのSDNに対応したネットワーク機器を置くだけで、SDNを活用できるようになる。

機能を絞った低価格なコントローラ

 一方NECは、中堅・中小企業向けに、標準価格5万円からの低価格SDNコントローラ、「UNIVERGE SDN Controller Lite」を2月28日に販売開始する。同社では一般的なLANスイッチとして累計約60万台を販売したという「UNIVERGE QXシリーズ」のSDN対応を進めており、顧客が既にQXシリーズを導入していれば、5万円でSDNが導入できることになる。

 ただし、UNIVERGE SDN Controller Liteでは、セキュリティ製品との連携(トラフィックフローに応じて特定のセキュリティ製品の機能を適用する)に用途を限定。小規模な企業には不要という考えから、LANの論理分割は行えないようになっている。

新たな販売施策を展開

 NECでは、SDNソリューションの顧客ターゲット拡大に伴い、販売パートナーの支援を強化する。これには、パートナーに対する技術情報、教育、提案ツール、SDN構築テンプレートの提供や、提案支援が含まれる。また、インフラシステム設計・構築事業者との連携を強化、これらの事業者が、SDNを付加価値として提供するための支援を行っていくという。

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