DBSに必要な「暗号技術」の基礎:「データベーススペシャリスト試験」戦略的学習のススメ(32)
あの“津崎さん”も保有する難関資格「データベーススペシャリスト」。本企画では、データベーススペシャリスト試験 午前/午後試験対策のための「基礎知識」を抜粋してお届けします。今回はデータベースシステムに必要な「暗号技術基礎」を解説します。
書籍の中から有用な技術情報をピックアップして紹介する本シリーズ。今回は、秀和システム発行の書籍ポケットスタディ データベーススペシャリスト [第2版](2015年12月22日発行)』からの抜粋です。
ご注意:本稿は、著者及び出版社の許可を得て、そのまま転載したものです。このため用字用語の統一ルールなどは@ITのそれとは一致しません。あらかじめご了承ください。
※編集部注:前回記事「「メタデータ」「NoSQL」「CAP定理」を理解する」はこちら
暗号技術
出題頻度 午前II:●-- 午後I:--- 午後II:---
●--:過去14年間での過去問出題数が1〜9回
●●-:過去14年間での過去問出題数が10〜19回
●●●:過去14年間での過去問出題数が20回以上
Key Word
●共通鍵暗号方式、公開鍵暗号方式、暗号化技術、各方式の特徴
共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式
下図のように、暗号化と復号に同一の鍵を利用する方式を共通鍵暗号方式と呼びます。処理が速いというメリットはありますが、同じ鍵を使うためには、事前に安全な経路で鍵を共有しておく必要があります。
これに対し、公開鍵暗号方式は暗号化と復号で異なる鍵を利用します。鍵の管理は簡単になりますが、処理の負荷が高くなります。
各暗号方式の暗号化技術
各暗号方式の基盤となる代表的な暗号化技術として、以下があります。
共通鍵 | DES | 強度が弱く、今日では3重に適用した3DESが主流 |
---|---|---|
AES | DESに次ぐ方式として米国商務省技術局が公募・選定した方式。鍵長を128ビット、192ビット、256ビットから選択する | |
公開鍵 | RSA | 素因数分解の計算を利用した暗号方式であり、広く普及している |
各暗号方式のメリット・デメリット
本試験過去問題による類題演習 | |
---|---|
□H16午前問46 | 暗号方式に関する記述(共通鍵暗号方式/公開鍵暗号方式) |
□H25 午前II問21 | 暗号方式に関する記述(共通鍵暗号方式/公開鍵暗号方式) |
□H27 午前II問20 | AESにおける鍵長の条件 |
□H18午前問46 | 公開鍵暗号方式に関する記述 |
□H20午前問47 | 暗号方式に関する記述 |
□H17午前問46 | 共通鍵暗号方式で必要な暗号鍵の総数 |
Point check 1
公開鍵暗号方式を用い、送受信メッセージを暗号化して盗聴されないようにしたい。送信時にメッセージの暗号化に使用する鍵はどれか。
(H19春DB午前問46)
ア 受信者の公開鍵 イ 受信者の秘密鍵
ウ 送信者の公開鍵 エ 送信者の秘密鍵
解答 Point check 1 ア
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