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JavaScriptの条件分岐の基本をGASのmsgBox、inputBoxで学ぶExcel VBAプログラマーのためのGoogle Apps Script入門(4)(2/2 ページ)

Googleが提供するGoogle Apps Script(GAS)のプログラミングで、Google Apps(主にスプレッドシート)を操作する方法を解説していく連載。今回は、条件分岐をGoogle Apps Scriptで、どのように使っていけばいいかを、msgBox、inputBoxのサンプルを交えながら解説する。

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OK、キャンセルなどのボタンとタイトルを表示させるmsgBox

 msgBoxメソッドには、タイトルを表示させる下記のような書き方もある。

ボタンとタイトルを表示させるmsgBoxメソッドの書式

var {変数}=Browser.msgBox({title},{prompt},{buttons})


 「title」にメッセージボックスに表示させるタイトルを指定する

function myFunction() {
  var result=Browser.msgBox("確認","HTC Viveもっていますか?",Browser.Buttons.YES_NO_CANCEL);
  if(result=="no"){
    Browser.msgBox("つまらん!");
  }
  else if(result=="yes"){
     Browser.msgBox("素晴らしい!");
  }else{
     Browser.msgBox("答えてください");
  }
}
リスト3 タイトルを表示するmsgBox

 ここでは「YES_NO_CANCEL」を指定している(2行目)。

 これを実行すると、図2のように「確認」というタイトルが表示される。


図2 「確認」というタイトルが表示された

文字入力ができるinputBox

 文字入力ができるinputBoxメソッドには下記3つの書式がある。

 戻り値を必要としない場合は「var {変数}=」は不要だ。

 {title}、{prompt}、{buttons}の説明はmsgBoxと同様なので、省略する。{変数}は入力された文字列となる。ただし、{buttons}を「YES_NO_CANCEL」「OK_CANCEL」として「キャンセル」ボタンが押された場合は、{変数}には「cancel」が戻ってくる。

 実際に使ってみよう。リスト4のようなコードを記述する。

function myinputBoxFunction() {
  var result=Browser.inputBox("名前を入力画面","名前を入力してください",Browser.Buttons.OK_CANCEL);
  switch(result){
    case "cancel":
          Browser.msgBox("答えてください");
          break;
    case "悪魔":
          Browser.msgBox("そんな名前を付けてはいけません");
          break;
    case "天使":
          Browser.msgBox("すごい名前ですね!");
          break;
    default:
          Browser.msgBox("初めまして" + result + "さん!");
  }
}
リスト4 タイトルを表示させて「OK」「キャンセル」の2つのボタンを表示させるinputBoxのコード

 ここでは、switch〜case文を使い、入力された文字(「キャンセル」ボタンが押されたら「cancel」になる)によって表示させるメッセージを変えている(3〜15行目)。

 実行結果は図3のような表示になる。


図3 名前を入力して、「OK」をクリックすると、名前の人に対してあいさつをする

 なおbreak文がないと、上から順に処理が行われるので、例えば「キャンセル」ボタンが押されたら、5行目の「答えてください」のメッセージボックスが出て、そこでさらに「OK」ボタンを押したら、8行目の「そんな名前を付けてはいけません」というメッセージボックスが出てしまう。さらに、11行目の「すごい名前ですね!」、14行目の「初めましてcancelさん!」という文言が表示されるので、試してみてほしい。

Excel VBAとの違い

 今回は、これで終わりだ。条件分岐を見てきたが、Excel VBAをマスターしている方なら、使い方は容易に理解できただろう。

 Excel VBAのIf文は、JavaScriptのif文と使い方では大した違いはないが、ThenやEnd Ifを書くのでVBAの方が書くのが面倒なぐらいだろう。JavaScriptのswitch〜case文はVBAではSelect Case〜End Selectとなるが、break文を書かないでも処理を抜けるのが大きな違いだ。

次回は、配列と繰り返し処理

 今回はメッセージボックスを使ったが、条件ごとに処理を変えることで、データを扱うときにいろいろなことができる。それには、まず配列と繰り返し処理について解説する必要があるので、次回解説しよう。データをたくさん使う処理で欠かせないので、ぜひ覚えてほしい。

参考文献

著者プロフィール

PROJECT KySS 薬師寺 国安(やくしじ くにやす)

1950年生まれ。フリーVBプログラマー。高級婦人服メーカーの事務職に在職中、趣味でVBやActiveXに取り組み、記事を執筆。2003年よりフリー。.NETやRIAに関する執筆多数。Windowsストアアプリも多数公開中(約270本)。

 

Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。

Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。

Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。

PROJECT KySSは、1997年に薬師寺聖と結成したコラボレーション・ユニット


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