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マイクロソフト、「Azure PaaS for Azure Stack」のプレビュー版をリリース:Azure Stack TP3も公開
マイクロソフトは、「Microsoft Azure」と同じ環境をオンプレミスに構築する「Microsoft Azure Stack」のTechnical Preview 3を公開。併せてPaaS機能を実現する「Azure PaaS for Azure Stack」のプレビュー版をリリースした。
米マイクロソフトは2017年4月6日(米国時間)、ハイブリッドクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure Stack(以下、Azure Stack)」のTechnical Preview 3(TP3)を更新したと発表。併せて、Azure StackでのPaaS(Platform as a Service)機能を実現する「Azure PaaS for Azure Stack」のプレビュー版をリリースした。
Azure Stackは、同社のパブリッククラウドサービス「Microsoft Azure(以下、Azure)」と同じ環境をオンプレミスや自社データセンターに構築できるソフトウェア。今回リリースされたプレビュー版のAzure PaaS for Azure Stackには以下の機能が含まれる。
- Azure App Service(Webアプリ、APIアプリ、モバイルアプリの作成、デプロイ、管理を可能とするPaaS)
- Azure Functions
- SQL/MySQLデータベースサービスのアップデート版
主機能となるAzure App Serviceでは、以下の機能がアップデートされた。
- Azure Active Directory(Azure AD)ベースのデプロイ用のAzure Functionsのプレビュー版
- ネットワークに接続されていない環境でのデプロイ
- Active Directory フェデレーションサービス(ADFS)で認証されたAzure Stack上でのデプロイ
- インストールとデプロイの改良
- Azure Resource Manager(ARM)API Version 2016-03-01でのApp Servicesのサポート
- AzureとのSKUの同期。具体的には、Free(F1)、Shared(D1)、Standard(S1、S2、S3)で対応
- サービスの信頼性の向上
一方、Azure Stack TP3では、以下の機能向上やバグフィックスが行われた。
コンテンツ、サービス、ツール
- ADFSのサポートにより、ネットワーク接続が限られているか、断続的な場合に対応したIDオプションが利用可能となった
- Azure仮想マシン(VM)のスケールセットを使って、IaaSのVMベースのワークロードについて、管理されたスケールアウトおよびスケールインを実現可能にした
- Azure DシリーズのVMサイズを使ってパフォーマンスと一貫性の向上を図れるようになった
- Azureとの一貫性を持つ一時ディスクでテンプレートをデプロイ、作成できるようになった
- マーケットプレースシンジケーション機能により、Azure Marketplaceの内容をAzure Stackで利用できるようになった
インフラとオペレーション
- セキュリティ向上のため、管理者とユーザーのポータルおよびAPI(Application Programming Interface)を分離できるようになった
- 改良されたアラートなど、強化されたインフラ管理機能を利用できるようになった
- 「Windows Azure Pack Connector」を使って、Windows Azure PackでホストされるIaaS仮想マシンを表示、管理できるようになった
- Azure ADドメインの外部のユーザーにIaaSやPaaSを提供する必要がある場合に、マルチテナントをサポートできるようになった
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