Azureと一貫性のある環境を手元に――Azure Stackのテクニカルプレビュー版が公開:ハイブリッドクラウドをAzureのデザインで
Microsoft Azureと同じ環境をオンプレミスに構築できるAzure Stackが、ついにテクニカルプレビュー版として登場しました。
「Azure to Your Datacenter」(Azureをあなたのデータセンターに)というフレーズでマイクロソフトが2015年5月に発表したソフトウェアが「Azure Stack」です。
Azure Stackはこのフレーズの通り、Microsoft AzureのIaaS(Infrastructure as a Service)とPaaS(Platform as a Service)の機能、ネットワークコントローラーやストレージコントローラー、ロードバランサーなどのサービス群、利用者向けダッシュボードなどを含む環境を、そのままオンプレミスで利用可能にするソフトウェアです。
マイクロソフトは2016年1月29日(米国時間)、このAzure Stackのテクニカルプレビューを公開しました。当初は2015年夏に公開予定と伝えられていましたので、約半年程度の遅れとなっています。
マイクロソフトはAzure Stackを登場時から「クラウドと一貫性がある」(Cloud-consistent)と説明しています。つまりAzure StackはMicrosoft Azureのソフトウェアを「そのまま」ではなく、「一貫性を保つ」ように新たに(あるいは別途)実装されたものと推察されます。
Azure Stackの実行に必要なハードウェア要件は、最小構成がデュアルソケットの12物理コア、96GBメモリ、システム用に200GBストレージ、汎用ストレージとして140GBストレージが4基などで、推奨構成としてはデュアルソケットの16コア、128GBメモリ、システム用に200GBストレージ、汎用ストレージとして250GBストレージが4基など。
マイクロソフトは同社のクラウド戦略の強みの1つとして、パブリッククラウドと同時にオンプレミス用のOSなど基盤ソフトウェアも展開していることで、ハイブリッドクラウドの構築に強い点を挙げています。
Azure Stackは、そうした同社のハイブリッドクラウド戦略をさらに推し進めるものであることは間違いないでしょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Microsoft Azureで、コンテナー、IoT、セキュリティに関する重要機能を一挙発表
米マイクロソフトは2015年9月29日(米国時間)、ワシントン州レッドモンドで、同社のクラウドサービス「Microsoft Azure」に関するイベントAzureConを開催、コンテナー、IoT、セキュリティ、GPU対応仮想インスタンス、新リージョンなどを発表した。 - Windows 10、クラウド、モバイル、IoT、そしてHoloLens──全方位で逆襲するマイクロソフト
日本マイクロソフトは2015年5月26〜27日にエンジニア向けイベント「de:code」を開催した。本稿では、近年のマイクロソフトを取り巻く市場環境と二つの大きな戦略を見ながら、de:code 2015の基調講演の模様を凝縮してお伝えする。 - 全ての開発者が押さえておくべきマイクロソフトの最新技術動向
2015年夏に予定されているWindows 10/Visual Studio 2015のリリースとともに、マイクロソフトはどこに向かうのか。その最新動向をキャッチアップしよう! - 所要時間わずか10分で「Docker」を体験しよう――Azureで始めるDocker入門
2014年から急速に注目度が増しているコンテナー型仮想化技術「Docker」。すでに多くのLinuxで利用可能な技術ですが、次期Windows Serverでもサポートされる予定です。Dockerとはどのようなものなのか、一度、実際に触って体験してみてはいかがでしょうか。 - 「Microsoft Azure最新機能フォローアップ」最新記事一覧