OSインストール用のISOイメージに含まれるWindows OSのバージョン/エディション/ビルド番号などの情報を調べる:Tech TIPS
Windows OSインストール用のイメージはISOファイルとして提供されている。インストールする前に、ISOファイルに含まれているWindows OSのバージョンやエディション、ビルド番号などを知る方法を解説する。
対象OS:Windows 7/Windows 8/Windows 8.1/Windows 10/Windows Server 2008 R2/Windows Server 2012/Windows Server 2012 R2/Windows Server 2016
Windows OSのインストール前にバージョンを調べたい
Windows OSのインストール用イメージはISOファイルで提供されていることが多い。このISOイメージをDVD-RやUSBメモリなどに書き込めば、PCをブートさせてインストールすることもできる。
最近ではWindows OSの頻繁なバージョンアップや機能追加などにより(特にWindows 10以降)、複数のISOイメージを入手して、管理する必要性が高くなっている。だがISOイメージが多数あると、どのファイルがどのWindows OSのインストール用イメージなのか分からなくなってしまうことがある。
そこでWindows OSのインストール前に、そのISOファイルにどのバージョンのOSが入っているか分かると便利である。本TIPSでは、Windows OSのインストールイメージに含まれるOSのエディションやバージョン、ビルド番号、言語種別などを調べる方法を紹介する。
なお以下の操作は、Windows 8/Windows Server 2012以降で行うのが望ましい。Windows 7かそれ以前のdismコマンドだと、「*.esd」というインストール用イメージファイルの内容をチェックできないからだ。
手順1――install.*ファイルの場所を調べる
Windows OSのインストール用イメージ(展開前のファイル群)は、「install.wim」か「install.esd」というファイルに圧縮/アーカイブされて保存されている。まずはこのファイルの場所を調べよう(.esdは.wimより新しい圧縮ファイル形式)。
ISOファイルしかない場合は、いったんシステムにマウントして、その内容を読み出せるようにする。Windows 8以降ならエクスプローラでISOファイル名をダブルクリックすると自動的にシステムにマウントされる。
ISOファイルではなく、インストール用USBメモリやインストール用DVD-Rの場合は、ドライブとして読めるようにUSBポートに指すか、DVDドライブに挿入すればよい。
install.*ファイルの場所を見つけるには、「dir /s install.*」を実行する(TIPS「Windowsのdirコマンドでファイル名の一覧を取得する」参照)。
D:\CDIMAGE>dir Windows10*.iso ……ISOファイルを探す
ドライブ D のボリューム ラベルは DATAVOL です
ボリューム シリアル番号は 8034-EE00 です
D:\CDIMAGE のディレクトリ
2017/04/17 20:13 6,721,110,016 Windows10.iso ……検査したい対象のISOファイル。Window 8以降ならエクスプローラでダブルクリックすればマウントできる
1 個のファイル 6,721,110,016 バイト
0 個のディレクトリ 1,130,733,846,528 バイトの空き領域
D:\CDIMAGE>e: ……ここではE:ドライブにマウント済みであるとする
E:\>dir /s install.* ……install.*の場所を探す
ドライブ E のボリューム ラベルは ESD-ISO です
ボリューム シリアル番号は C91A-2165 です
E:\x64\sources のディレクトリ
2017/04/17 20:12 3,112,413,720 install.esd ……インストールソース1。x64版イメージ
1 個のファイル 3,112,413,720 バイト
E:\x86\sources のディレクトリ
2017/04/17 20:10 2,428,044,882 install.esd ……インストールソース2。x86版イメージ
1 個のファイル 2,428,044,882 バイト
ファイルの総数:
2 個のファイル 5,540,458,602 バイト
0 個のディレクトリ 0 バイトの空き領域
E:\>
この例のように、1つのISOファイル中に複数のアーキテクチャ(32bit版と64bit版)のインストールイメージが含まれていることもあるので、全部探しておくこと。
手順2――dismコマンドでインストールイメージを調査する
.wimや.esdファイルの内容を調査するにはdism.exeコマンドを利用する。PowerShellの場合はGet-WindowsImageコマンドレットが利用できる。ただし古いWindows OSのdismコマンドは.esd形式を扱えないので、Windows 8やWindows 10以降のOSで実行しよう。
dismコマンドは、管理者権限のあるコマンドプロンプトを開いて実行する。
インストールイメージ中のOSの一覧は「dism /get-wiminfo /wimfile:<installファイルのパス>」で確認できる。
E:\>dism /get-wiminfo /wimfile:e:\x64\sources\install.esd ……1つ目のインストールソース(x64版)の内容をチェックする
展開イメージのサービスと管理ツール
バージョン: 10.0.15063.0
イメージの詳細: e:\x64\sources\install.esd ……インストールソース1
インデックス: 1 ……インデックス番号(後で詳細情報をチェックする場合に使う)
名前: Windows 10 Pro ……1つ目のOSの名前とエディション
説明: Windows 10 Pro
サイズ: 15,619,822,436 バイト ……インストールイメージのサイズ
インデックス: 2
名前: Windows 10 Home ……2つ目のOS
説明: Windows 10 Home
サイズ: 15,441,371,540 バイト
インデックス: 3
名前: Windows 10 Education ……3つ目のOS
説明: Windows 10 Education
サイズ: 15,437,695,252 バイト
操作は正常に完了しました。
E:\>dism /get-wiminfo /wimfile:e:\x86\sources\install.esd ……2つ目のインストールソース(x86版)の内容をチェックする
展開イメージのサービスと管理ツール
バージョン: 10.0.15063.0
イメージの詳細: e:\x86\sources\install.esd ……インストールソース2
インデックス: 1
名前: Windows 10 Pro ……4つ目のOS
説明: Windows 10 Pro
サイズ: 10,504,913,643 バイト
インデックス: 2
名前: Windows 10 Home ……5つ目のOS
説明: Windows 10 Home
サイズ: 10,393,198,387 バイト
インデックス: 3
名前: Windows 10 Education ……6つ目のOS
説明: Windows 10 Education
サイズ: 10,499,983,812 バイト
操作は正常に完了しました。
E:\>
このISOファイルの場合は、Windows 10のHome/Pro/Educationの3つのエディションと2種類のアーキテクチャ(x86版とx64版)のインストールイメージが含まれていることが分かる。
ビルド番号や言語情報などを調べるには、上記のdismコマンドの最後にさらに「/index:<インデックス番号>」という引数を付けて実行する。インデックス番号は、上の結果に表示されている、1から始まる番号である。
E:\>dism /get-wiminfo /wimfile:e:\x64\sources\install.esd /index:1 ……x64イメージ中の最初のOSをチェック
展開イメージのサービスと管理ツール
バージョン: 10.0.15063.0
イメージの詳細: e:\x64\sources\install.esd
インデックス: 1 ……1つ目のOS情報
名前: Windows 10 Pro ……Windows 10のProエディション
説明: Windows 10 Pro
サイズ: 15,619,822,436 バイト
WIM ブート可能 : いいえ
アーキテクチャ: x64 ……x64版(64bit版)
HAL: <未定義>
バージョン : 10.0.15063 ……ビルド15063(Windows 10 Creators Update)
Service Pack のビルド : 0
Service Pack のレベル : 0
エディション : Professional
インストール : Client
製品の種類 : WinNT
製品群 : Terminal Server
システム ルート : WINDOWS
ディレクトリ : 20828
ファイル : 104964
作成日時 : 2017/03/20 - 13:21:36
変更日時 : 2017/04/17 - 20:12:32
言語 :
ja-JP (既定) ……日本語版
操作は正常に完了しました。
E:\>dism /get-wiminfo /wimfile:e:\x86\sources\install.esd /index:3 ……x86イメージ中の3番目のOSをチェック
展開イメージのサービスと管理ツール
バージョン: 10.0.15063.0
イメージの詳細: e:\x86\sources\install.esd
インデックス: 3 ……3つ目のOS情報
名前: Windows 10 Education ……Windows 10のEducationエディション
説明: Windows 10 Education
サイズ: 10,499,983,812 バイト
WIM ブート可能 : いいえ
アーキテクチャ: x86 ……x86版(32bit版)
HAL: <未定義>
バージョン : 10.0.15063 ……ビルド15063(Windows 10 Creators Update)
Service Pack のビルド : 0
Service Pack のレベル : 0
エディション : Education
インストール : Client
製品の種類 : WinNT
製品群 : Terminal Server
システム ルート : WINDOWS
ディレクトリ : 14934
ファイル : 80402
作成日時 : 2017/03/19 - 18:42:55
変更日時 : 2017/04/17 - 20:10:19
言語 :
ja-JP (既定) ……日本語版
操作は正常に完了しました。
E:\>
内部に含まれるWindows OSの詳細が分かったら、それらを反映したようなISOファイル名に変更しておくと管理しやすくなるだろう(例:「jp_Windows10_HomeProEdu_x64_15063_Ver1703_RS2(Creators_Update).iso」などとする)。
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