クリック・テクノロジーズ、セルフサービスBIツール「Qlik Sense」の最新版を発表:クラウド対応機能やコネクター機能などを強化、iOSアプリも公開
米クリック・テクノロジーズがセルフサービスBIツール「Qlik Sense」の最新アップデート(2017年6月)版をリリース。クラウド対応が完了し、接続可能なデータソースの種類も増やした。また、iOS対応クライアントも用意される。
米クリック・テクノロジーズは2017年5月15日、同社独自の連想技術エンジン「QIX Associative Indexing Engine」(以下、QIXエンジン)を備えたBI(Business Intelligence)ツール「Qlik Sense」の最新アップデート(2017年6月)版を発表した。
同社は年次イベント「Qonnections 2017」で、Qlik Senseのロードマップを示した。それによると、Qlik Senseの2017年6月版では、オンプレミスの「Qlik Sense Enterprise」をクラウドサービスと接続し、データの保管場所、データ分析の実施場所、ユーザーのアクセス場所、アクセスするデバイスを問わずに、機能を完全な形でシームレスに利用できるようにする指針が示された。
クリック・テクノロジーズ エンジニアリング担当シニアバイスプレジデントを務めるマイク・ポッター氏によると、Qlik Senseの2017年6月版は、「クラウド対応が完了した。さらに、インフラの境界を超えて、シームレスなデータの保存や分析に対応できるアーキテクチャを実現した」としている。クラウド基盤へは、Amazon Web Services(以下、AWS)やMicrosoft Azure(以下、Azure)などで展開されるオンラインマーケットプレース経由で導入可能。それに加え、ハイブリッドクラウド分析に向けて、新たにiOS対応アプリの「Qlik Sense Mobile」とQlik Sense Enterprise環境向けWindowsクライアントの「Qlik Sense Desktop」も用意した。Qlik Sense Mobileでは、モバイルデバイス上でQIXエンジンをローカル実行させ、オフライン時もデータ分析を実施できるようにしている。
分析・視覚化機能に関しては、箱ひげ図、分布図、ヒストグラムなどのデータ視覚化機能が追加され、データビニング(離散化)機能も備えた。データビニングとは、粒度や視点を変えながらデータ分析を行う際に、データをある程度の単位ごとにグループ化する作業のこと。データを迅速に大/中/小といった粒度に分類できることで、分析の利便性が高まるとしている。
「表の連結機能」も新たに備えた。フィールドやフィールド名が一致していなくても、複数の表を容易に連結可能。例えば、顧客やパートナー間で保存方法が異なっている場合でも、これら2社のデータ表を1つにまとめられる。
データソースへの接続モジュール「Qlik Connectors」の機能も強化し、REST(REpresentational State Transfer)データソース、「Google Analytics」「Facebook」「Twitter」との連携に対応。この他に、CSVやMicrosoft Excelファイル、XML(eXtensible Markup Language)などのデータファイル、Oracle、SAP、ODBC(Open Database Connectivity)といったデータ基盤、TeradataやClouderaなどのHadoopソースへの接続も可能とし、「Salesforce.com」「SAP HANA」への接続時の処理性能も改善された。また、Webサービス向けコネクターの「Qlik Web Connectors」では、「Bit.ly」「Google Search Console」「Google AdWords」「Microsoft Dynamics CRM」など、40種以上のWebアプリケーションやサービスに対応している。
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